視覚障がい者の移動を豊かにする「よりみちガイド」
2023年2月6日、愛知県蒲郡市の株式会社ニデックから派遣された社員たちが、地球の未来を拓くテクノロジーの祭典「TechGALA JAPAN」で行われたハッカソン「Hack GALA」に参加しました。ここで、彼らが開発したアプリ「よりみちガイド」が優勝を果たしました。このアプリは、視覚障がい者にとっての移動に対する不安を軽減し、移動を楽しい体験に変えることを目指しています。
視覚障がい者は日々の移動において、知らない場所や混雑した場所での不安を抱えています。市場には多くのサポートアプリやデバイスが存在しますが、「楽しさが足りない」という当事者の声を受けて生まれたのが「よりみちガイド」です。このアプリは対話型で、ユーザーの周囲の風景を音声でリアルタイムに説明し、骨伝導イヤホンと振動デバイスを用いて直感的にナビゲーションを提供します。例えば、アプリは「近くにおいしいコロッケ屋さんがありますよ」や「最近、芸能人が訪れました」といった情報を通知し、視覚障がい者が街を歩く楽しさを実感できるようにしています。
このプロジェクトが評価された理由の一つは、「圧倒的な感覚」に当事者が共鳴した点です。例えば、社内の社員の一人が、自身の祖母が緑内障によって若くして視力を失った経験から、このプロジェクトに情熱を注いできました。彼は、視覚障がい者が移動する際の「暗いトンネルの中を通る」ような感覚に「楽しさ」を付与することを目指して研究を続けてきました。
また、同ハッカソンには「ビジョンコード」という別のチームも参加しており、こちらは視覚障がいを持つ社員がプレゼンターを務めました。彼らは、視覚障がい者が晴眼者のエンジニアとペアプログラミングを行えるプラットフォームを提供することを目指しています。これは限定的なIT教育機会と就職という社会的な課題を解決するための施策です。この取り組みにより、視覚障がい者がITエンジニアとして希望を持ってスタートラインに立ち、社会で活躍できることを目指しています。
当社は「見えないものを見えるようにする」という理念の下、人工網膜の開発にも力を入れています。社員一人ひとりがこの思いを引き継ぎ、「みる」喜びや健康を技術で支え、広めるために努力していきます。今後も視覚障がい者に対するサポートや、新たな技術を通じて、安心な未来を提供していく所存です。
ハッカソンの詳細については公式サイトで確認することができます。ぜひご覧ください。
TechGALA ハッカソン公式サイト
ニデックサステナビリティに関する情報
この記事は当社社員が参加したハッカソンに基づいており、当社事業として実施されているわけではありません。