富良野自然塾は、脚本家の倉本聰氏が主宰する壮大なプロジェクトです。この自然塾は2005年、かつてのゴルフ場を緑豊かな森に戻すという理念のもと始まりました。植樹活動を通して、地域社会や全国各地に広がる環境教育プログラムを推進してきたのです。これまでに79,000本以上の樹木が植えられ、現在では東京や京都など8つの分校が開設され、約1,000人の賛助会員がこの運動を支えています。
この度、富良野自然塾は新たな挑戦としてクラウドファンディングを開始しました。目指すは、季刊誌『カムイミンタラ』の電子版発行と、その資源を用いた森づくりの推進です。クラウドファンディングの期間は8月31日までで、目標金額は300万円。この資金は、電子化された季刊誌を通じて、人々に知識や情報を届けるために利用されます。
『カムイミンタラ』は、倉本聰氏が自ら“愚者”となり、様々な分野の専門家との対話を通じて生まれた知的探究の記録です。この誌は、ただの活動報告にとどまらず、現代社会が忘れた「本当の豊かさ」を問い直す重要なメッセージを持っています。しかし、過去の号の中には手に入れにくいものもあり、その貴重な内容が失われつつあります。そのため、全バックナンバーを電子化し、誰でもいつでもアクセスできる形で残すことが急務だと考えられています。
プロジェクトが目指すのは、以下のいくつかのゴールです。
1. すべてのバックナンバーを高解像度でスキャンし、検索可能な電子版へと再構成する。
2. 倉本聰氏の思想や環境観の変遷を、時系列で整理するデジタル資料を作成する。
3. 新刊もリアルタイムで更新し、地球環境に関する最新情報を提供する仕組みを構築する。
4. 子どもたちや教育現場で使えるオンライン資料として整備する。
このプロジェクトの成就は、倉本聰氏の言葉や哲学を次世代に受け継ぐという文化の継承に繋がります。また、富良野自然塾の活動を教育や研究の資源として広め、多くの人が“森とつながる”環境を作り上げます。これにより、共感の輪が全国、さらには世界へと広がることを目指しています。
クラウドファンディングにおけるご支援は、単なる資金提供にとどまらず、未来の文化継承のための重要な一歩となります。デジタル化には専門的な作業やシステム構築が必要であり、通常の運営費では賄えない大きな初期投資が伴いますが、私たちはこの挑戦を「利益のため」ではなく、未来の人たちに倉本氏の思想や森の見方を届ける使命と捉えています。
賛助会員になっていただいた方には、年間4回最新号の『カムイミンタラ』が届けられます。それぞれの号では、環境問題や教育、哲学に関する深いテーマが取り上げられ、“じっくり読みたくなる”内容が詰まっています。このプロジェクトは、私たちが育んできた知恵をもっと多くの人たち、特に未来を担う子どもたちへと届けるための挑戦の一環です。
富良野の森から生まれた知恵を時を超えて次世代へ。あなたの力を、この文化的な挑戦に貸してください。