アーカイブすることの意味を問い直す新刊『WORKSIGHT29号』のご紹介
コクヨが運営するオウンドメディア「WORKSIGHT」は、11月19日(水)に新たな印刷版の第29号をリリースします。その名も『WORKSIGHT[ワークサイト]29号 アーカイブする? Archive?』。この号では、現代におけるアーカイブの重要性について、様々な視点から考察が行われます。特集テーマである「アーカイブする?」は、記録、保存、継承といった重要な行為を探り、企業、文化、アート、哲学などの多面的な視点から再考する内容となっています。
特に、この号の巻頭では、ロンドンの著名な個人アーカイブ「アーカイブ・オブ・モダン・コンフリクト」の主宰、ティモシー・プラスにインタビューを行っています。彼の見解によると、アーカイブは戦争や社会の断片を蒐集し、「語られざる歴史」を再編集する試みであり、現在を生きる私たちに重要なメッセージを語りかけています。この特集では、アーカイブの選定基準や分類がまったく無いこの「反アーカイブ」に密着し、その魅力と目的を深掘りします。
さらに、コクヨが展開するユニークなプロジェクト「生活社史」にも焦点を当てています。これは、コクヨに関わりのある人々の人生を通じて企業の歴史をまとめ直す試みです。社会学者の岸政彦氏がナビゲーターとして参加し、個々のライフストーリーをアーカイブする意義を考察します。
続いて、アーカイブの現状を知るために、ヤマハ、川島織物セルコン、ポーラ文化研究所を訪問。企業には日々の業務を通じて独自の価値や働き方が存在していることを再確認し、どうアーカイブできるかを探求します。
図書館の未来についても興味深い視点が提供されています。国際的な建築事務所スノヘッタが設計した図書館は、単に情報を保存する場ではなく、人と知識が交わる「生きた場」として再定義されます。新たな形のアーカイブとして、北京の図書館設計の事例を通じて21世紀のアーカイブの在り方を考察します。
また、作家や学者、漫画家たちが「アーカイブの哲学」についてそれぞれの視点から語り、記憶と想像力、身体と記録の関係を探ります。デジタル時代における著作権や知の共有問題についても、情報学者の山田奨治氏が掘り下げ、この時代におけるアーカイブのあり方を考えます。
この号を通じて最も問われているのは「何を残すか」ではなく、「なぜ残すのか」という問いです。情報過多の現代において、私たちが未来へ伝えるべきものを見極めるための手がかりとなる内容が詰まっています。
新刊『WORKSIGHT29号』は、アーカイブに対する私たちの理解を深め、それが未来にどう影響を与えるのかを考えるきっかけとなることでしょう。ぜひ一度手に取って、その深い内容に触れてみてください。
書籍情報
- - 書名: WORKSIGHT[ワークサイト]29号 アーカイブする? Archive?
- - 編集: WORKSIGHT編集部(ヨコク研究所+黒鳥社)
- - ISBN: 978-4-7615-0937-8
- - 発行日: 2025年11月10日
- - 発行: コクヨ株式会社
- - 発売: 株式会社学芸出版社
- - 定価: 1,800円+税
詳細については
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