ヤマイチ水産の新冷凍工場と持続可能な未来
株式会社ヤマイチ水産は、2025年2月に北海道紋別市に新しい冷凍工場を設立しました。この工場は、すり身業界で初めて完全自動化ラインを導入しており、省人化と省力化を実現しています。本記事では、新工場の立ち上げ背景や導入した技術、そしてその効果について詳しくご紹介します。
1. 新冷凍工場の設立背景
ヤマイチ水産は、1976年から北海道紋別市で水産加工品を手掛けており、冷凍すり身や冷凍ホタテの生産を行っています。冷凍すり身は、地元で獲れる新鮮なスケソウダラなどを原料にしており、年間4000トン前後が生産されています。しかし、生産を続ける中で「人手不足」、「省力化の実現」、「冷凍工場の老朽化」「ノンフロン機器の導入」といった課題が顕在化していました。
2. 新工場による自動化と省力化
ヤマイチ水産はこれまでの手作業中心の工程を見直し、業界初の完全自動化された凍結ラインを導入しました。このラインでは、すり身が搬入されてから凍結、包装、梱包までを全て自動で行うことが可能となり、従来の6-7人から2-3人での運用が実現しました。特に、自動投入搬出型連続式急速凍結装置「Tak-Auto」を導入することで、作業の効率化と従業員の負担軽減が図られています。
3. 技術の進化と品質向上
新工場では、Tak-Autoにより凍結温度が安定し、熱伝達効率が向上しました。従来の設備では、冷凍機油の影響で冷えムラが発生することがありましたが、Tak-Autoは自然冷媒を使用しており、その心配がありません。これにより、すり身の品質も向上しています。
4. 環境に優しい設備投資
新工場の設備は全て最新のノンフロン機器を採用しており、環境保護にも配慮しています。老朽化した工場を新設することで、そのリスクを軽減し、衛生面も向上させることができました。また、環境省の補助金を活用し、迅速な設備投資を行うことができました。
5. 未来への展望
ヤマイチ水産は、今後もすり身以外の製品にも挑戦し、紋別の水産物をより多くの人々に届けることを目指しています。環境変化が進む中でも、地域の資源を活かし、新たな商材を生み出していくことを計画しています。
6. 結論
ヤマイチ水産の新しい冷凍工場は、最新の技術を駆使し、持続可能な未来を見据えた環境と人への配慮を反映した施設です。今後も、地域の水産資源を最大限に活かし続ける企業としての活躍が期待されます。