ERPCがSolana向けベアメタルサーバーの価格を改定
オランダ・アムステルダムに本社を置くELSOUL LABO B.V.とValidators DAOが運営するERPCは、Solanaアプリケーション向けのプレミアムベアメタルサーバー「Metal Premium APP++」の価格を改定することを発表しました。この改定により、これまで月額320ユーロで提供されていたサーバーが390ユーロに引き上げられます。この価格変更は、メモリおよびストレージ部品の値上がりを受けたものであり、既存のサブスクリプション契約は、継続更新中の場合に限り従来の価格で利用可能です。
高性能を誇るMetal Premium APP++の特長
このMetal Premium APP++は、AMD Ryzen 9950X(5.7GHz、16コア)、128GB ECC DDR5メモリ、NVMeストレージ、50Gbpsネットワークを備えた非常に高性能な構成となっています。特に注目すべき点は、Shredstreamデータソースや主要バリデータと同じネットワークで動作するゼロ距離設計です。これにより、往復0.1ms未満の極めて低いレイテンシを実現しています。
仮想化を行わないベアメタル構成により、CPUの処理能力をアプリケーションに直接割り当てることができるため、Solana RPC/Geyser gRPC/Shredstreamなどの処理で明確な優位性を発揮します。近年急騰しているECC DDR5および高性能NVMeの価格を考慮し、高品質と安定供給を維持するために今回の価格改定が決定されました。
フランクフルトの在庫状況
現在、フランクフルト(FRA)ではRyzen 9950Xベアメタル(Metal Premium APP++)は約2ヶ月待ちとなっています。Ryzen 7950X構成(Metal Premium APP+)は入荷未定です。また、他の地域でも在庫が厳しい状況が続いているため、早期のお問い合わせをお勧めします。これらのサーバーはすべてShredstreamソースと同じネットワーク上に設置されており、0.1ms未満のゼロ距離レイテンシを達成しています。
同データセンターのプレミアムVPS
同じデータセンター内では、ネットワーク環境が類似したプレミアムRyzen VPSも運用されています。これもまたShredstreamソースとゼロ距離で接続されており、ping値は約0.1msです。軽量なアプリケーションやロケーション最適化が優先される用途に最適です。また、プレミアムベアメタルとは別に、通常の専有ベアメタルサーバー(180€/240€)も利用可能で、コストを抑えながらも高性能を実現することができます。
Stream Bundle Proの受付再開
最近、Ryzen 9950X専有ベアメタルサーバーの再入荷に伴い、専有Shredstreamを中心にした「Stream Bundle Pro」の申し込みも再開されました。このプランはGeyser gRPC、Solana RPC、SWQoSエンドポイントを一つの構成に統合し、最速経路でデータ取得と検証、トランザクション送信を行います。この環境を維持しつつ、より高速なShredsを受信できるため、段階的に高性能化を図れます。
専有ShredstreamはUDPによる超低遅延通信を実現しており、共有環境と比べ87%以上の高速化が確認されています。さらに、フランクフルトの主要データソース群とJito Block Engineの近郊に位置するため、遅延を最小限に抑えながら安定したスループットを実現しています。プロフェッショナルユースでは、専有ストリームを複数同時に購読し、最速で届いたデータを優先的に処理する構成が一般的です。
ERPCとValidators DAOが解決する課題
ERPCとしては、RPC環境で発生しやすいトランザクション失敗やレイテンシの変動、多くのインフラプロバイダーによる性能制限、ネットワーク距離の通信品質への影響などの課題に取り組んでいます。特に小規模プロジェクトにとって、高品質のインフラにアクセスすることは難しい現実です。
私たちは、オープンソース開発を支援するSolana NFTカードゲームプロジェクトEpics DAOの開発を通じて、高性能かつ高速なSolana開発環境が手に入らないという問題を経験しました。その結果、独自のプラットフォームを構築し、ERPCやSLVを提供する運びとなりました。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルなため、遅延やエラーはユーザー体験に直接影響します。分散したバリデータやWeb3特有の構造が重なるSolana開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さの課題を抱えています。私たちは、高性能な開発基盤を提供し、Solanaエコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献することを目指しています。
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