高齢者の低栄養と認知機能改善を狙う連携
最近、高齢者の低栄養と認知機能低下に対する新たな試みが始まっています。株式会社Rehab for JAPAN、エーザイ株式会社、日清医療食品株式会社が協力し、この分野の改善を目指す取り組みを発表しました。今回はこのプロジェクトの詳細をご紹介します。
高齢者と低栄養の問題
日本においては、介護度が上がるほど「低栄養」または「低栄養の恐れあり」とされる事例が増える傾向があります。エネルギーやタンパク質の摂取が減少すると、低栄養リスクが高まり、これが筋力低下やフレイルなどに繋がりやすくなります。特に在宅で生活する高齢者は、このような問題に陥りやすいのが現状です。
目指すもの
本取り組みの目的は、高齢者の低栄養改善を図るための支援モデルを構築することです。これにより、介護事業所の負担を軽減しながら、栄養アセスメント加算の取得も進めることを目指しています。RehabのICT技術を活用し、多職種による連携体制を整えることで、介護の質を向上させ、高齢者のQOL(生活の質)を向上させることが期待されています。
実証実験の実施
このプロジェクトの第一ステップとして、3社は介護保険の適用下で通所介護の利用者を対象に「栄養アセスメントサービス」の実証実験を行います。このサービスでは、管理栄養士と介護職員が共同で利用者の低栄養リスクを評価し、解決策を導き出します。実証の中で直面する課題として、管理栄養士の不足や個別のケアプランの作成、さらに厚労省が運営する科学的介護情報システム「LIFE」へのデータ提出が挙げられます。これらの課題に新たな業務フローとICTを活用することによってアプローチしていきます。
終わりに
本実証から得られた知見は、今後のサービス展開に大きく寄与することでしょう。高齢者の健康を守るための取り組みとして、介護現場における新たなビジネスモデルの確立と、利用者のQOL向上を実現するための一助となることを願っています。
関連企業について
独自のテクノロジーで介護業界に革命を起こすことを目指すRehab for JAPANや、医療用食品を提供し続ける日清医療食品、ヒューマン・ヘルスケアという理念のもと健康に寄与するエーザイなど、各社の取り組みは今後ますます注目されることでしょう。これらの企業の協力はいかに高齢者を支える社会を形成していくのか、私たちも注視したいところです。