新たな伝統を紡ぐアパレルブランド「ODORIGI」
岐阜県郡上市に新たに常設店「ODORIGI 本店」が2026年7月3日にオープンします。この場所は、郡上おどりの会場でもある郡上八幡の新町通に位置し、地域文化と伝統を現代に再生する取り組みの拠点となるのです。
完全地域循環型の衣服ブランド
ODORIGIは400年以上続く郡上の盆踊り文化と、スクリーン印刷産業の伝統を背景に、デザインから縫製までを地域内で行うブランドとして誕生しました。私たちが目指すのは、単なる伝統の保存やお土産としての衣服ではありません。郡上おどりが持つ「参加の自由」を体現し、衣服を通じて新たな文化を体験することを提案しています。この衣服は、まさに「身体を開くための衣服」、すなわち「踊り着」と言えるでしょう。
新店舗「ODORIGI 本店」は、ただ衣服を販売する場所ではなく、手刷り技術に触れ、職人やデザイナーの創作の様子を感じられる「ものづくりの実証拠点」となるのです。
自由な参加文化を現代にアップデート
郡上では、夏の間に30夜以上にわたり町の辻々で盆踊りが行われます。地元の人々も観光客も、自由な装いでこの踊りに参加できる「開かれた参加文化」は郡上おどりの最大の魅力です。ODORIGIの「オドリギシリーズ」は、その「自由な参加」を再定義し、持続可能な衣服の構造を持つシルエットで提供します。
この衣服は、日常と祭り、地域の人々と旅行者、伝統と現代を軽やかに結びつけ、文化を身体で体験するきっかけを創出します。
スクリーン印刷技術の未来を守る
戦後、スクリーン印刷技術が広まり、職人の町として知られる郡上ですが、今では機械化と高齢化が進行し、手刷り技術が失われつつあります。ODORIGIはこれを保存するだけでなく、現代の「ハレの日」に適応した衣服として再生する挑戦を行っています。
地元の若手印刷組合「GRAND」、縫製を担う「Itomatopée(イトマトペ)」と連携し、手刷りの独自の価値を追求していきます。機械に頼らないその技術こそが、踊りの躍動感と共鳴する「圧倒的な一点物の価値」を持つのです。
文化と産業を結ぶ新しい拠点
「ODORIGI 本店」は、郡上八幡の町家「玄麟」に位置し、郡上八幡振興公社が整備した複合施設です。この新しい店舗は、単なる土産物店ではなく、地域のものづくりの場として機能します。店内では、昔の温かみのある古材と無機質な鉄製ラックが共存し、様々なプロジェクトが行われます。
盆踊りシーズンにはオドリギの商品に加え、コラボレーションや展示、実演、トークイベントも行い、更に地域の文化を外へ広げる役割を担います。
若い担い手たちの挑戦
ODORIGIの中心には、郡上の文化と産業の現状を見つめ、次世代に繋ぐ若い担い手たちがいます。代表の下田知幸は、盆踊り文化とスクリーン印刷の可能性に賭け、2025年にODORIGIを立ち上げました。アートディレクションを担う上村大輔も手刷りの現場から支え、デザイナーの堀義人は地域との連携を続けています。
ODORIGIは外部から持ち込まれたブランドではなく、自分たちの町の文化を再評価し、次の仕事として自立的に展開する試みです。
日本各地の祭りへ発信
ODORIGIが目指すのは、郡上おどりのためだけの服作りではありません。日本各地には身体で参加することによって初めて感じられる文化が多く存在します。このブランドは、地域の文化をただ眺めるものから、身体で関わるものへと変えていく力を持っているのです。現代の祭りや踊りの参加の仕方を変えることで、新しい風景が形成されることでしょう。
まとめ
ODORIGIの新たな挑戦は、地域文化を様々な形で広げ、参加による文化体験の価値を高めることを目的としています。新店舗のオープンに合わせて、さらなる展開に期待が高まります。