秋田市文化創造館における民具整理プロジェクト
秋田市文化創造館では、NPO法人アーツセンターあきたの主導による「民具とアートとアーカイブの研究会(民具ラボ)」が賑わいを見せています。今回のプロジェクトは、収集家・油谷満夫氏が70年以上にわたり集めた貴重な民具を、研究者や表現者、市民ボランティアと共に分類整理することを目的としており、6月から8月までの期間、活発に行われています。特に注目すべきは、8月3日から始まった活動で、来たる8月25日までにボランティアの助けを借りて611点の資料が整理される見込みです。
現在、活動は大詰めを迎えており、ボランティアたちは毎日18時に作業が終わると記念写真を撮影し、その達成感に浸ります。油谷さんが収集した50万点以上の民具のうち、特に秋田市に寄贈された20万点は「秋田市油谷これくしょん」として展示公開されています。しかし、今回の分類活動はそれとは別に、油谷さんの個人所有の民具を中心に行われています。
油谷満夫氏の民具収集の歴史
油谷満夫さんは91歳という高齢にもかかわらず、民具に対する情熱は衰えを知りません。彼の民具収集は、20代のころから始まり、今では50万点以上のコレクションを誇ります。彼の収集活動は、昭和54年から13年間運営した「民具の館」や、今現在の秋乃宮博物館の開館へと続いています。
民具ラボでは、個人所有の貴重な民具の分類整理を行うことで、より多くの人々にその魅力を伝えることを目指しています。活動はシンプルながら多岐にわたり、類似品を集め、その名称や用途を調査・記録し、最終的に倉庫に収納する手順を踏んでいます。
参加型のプロジェクト
このプロジェクトに参加する市民ボランティアは、自らの手で民具の分類整理にかかわることで、地域の文化を深く理解する体験ができます。整理された品々は、400㎡のスタジオに広がり、来場者にその様子が一般公開されています。参加は自由で、ボランティアとしての協力もプレッシャーなく行えます。
スペシャルイベントが開催中
秋田市の中心市街地では、文化創造館での活動と並行して、秋田駅ビル地下1階で「民具ラボ出張所」、明徳館ビルでは「民具ラボ展」が行われています。これらは、地域の人々に民具ラボの活動を更に知ってもらう貴重な機会となっています。
会期:2025年7月19日(土)〜8月24日(日)
営業時間:10:00〜18:00(火曜定休)
会期:2025年8月7日(木)〜8月24日(日)
営業時間:11:00〜17:00
両イベントでは、活動の詳細や民具の展示が行われており、地域の文化を楽しむ絶好のチャンスです。
最終的には、民具を通じて地域の歴史や文化を再評価し、新しいアートとしての可能性を探ることがこのプロジェクトの狙いです。これからも秋田市の民具とアートの融合に期待が寄せられます。