定額制動画配信サービスの現状と利用動向分析レポートを発表

定額制動画配信サービスの利用実態とは

GEM Partners株式会社は、映像コンテンツの利用実態に関する分析レポート「動画配信／放送／ビデオソフト市場ユーザー分析レポート」の2025年版を発表しました。このレポートでは、定額制（SVOD）、レンタル（TVOD）、購入、無料サービスの契約形態に基づいて、視聴実態の変化と利用動向を詳細に分析しています。

SVOD利用率が停滞

まず、注目すべきは一定の成長が見られた定額制動画配信サービス（SVOD）の利用率です。2025年の調査によると、SVODの利用率は前年比0.2ポイント増加し、40.7%となりました。これは19年から22年にかけての増加トレンドに比較すると鈍化しており、23年（前年比+1.2pt）、24年（前年比+1.5pt）に続き、成長が抑制されています。特に、SVODサービスの利用者が新たなサービスに加入する傾向が見られる中、その成長が緩やかになっている点は業界関係者にとって注目のポイントです。

無料配信サービスの動向

対照的に、「無料」動画配信のAdVODは前年比0.7ポイントの微増で58.8%となり、利用者の間で徐々に人気が回復している様子がうかがえます。しかし、地上波やBSの無料放送に関しては依然として減少傾向にあります。視聴形態としての多様性がある中で、無料配信の魅力が利用者にどのように受け入れられているのか、興味深い状況です。

TVODも微増

レンタル動画配信サービスのTVODも前年比0.3ポイントの微増を記録し、利用率に若干の下げ止まりが見られます。ただし、DVDやBDのレンタル市場は依然として減少が続いており、一般のビデオソフトに関する購入も減少傾向が顕著です。この点に関してはデジタルサービスに対するニーズの高まりによるものとも推測されます。

増加する平均サービス利用数

SVODサービスの利用者に関しては、平均サービス数が前年1.8から2025年には2.0へと増加。この動向は、年代を問わずすべての層で見られ、特に15歳から19歳や60代での利用サービスが増加したとのことです。特に若年層と高齢層の利用が進んでいることは、動画配信サービスが年々広がる傾向に寄与しているといえるでしょう。

まとめ

「動画配信／放送／ビデオソフト市場ユーザー分析レポート」は、映像市場の全体像を把握しやすい形で提供しています。契約形態や鑑賞形態を横断的に分析し、様々なデータを通じてホームエンタテイメントの現状を示しています。このレポートは、関連業界における戦略立案やマーケティング活動など、多方面にわたって参考となる重要な資料と言えるでしょう。

このような傾向を踏まえて、今後も映像コンテンツのホームエンタテイメント市場はどのように進化を遂げるのか、引き続き注視していく必要があります。