救命技術を学ぶPEARS講習が医療現場で注目されています

PEARSとは？

PEARS（Pediatric Emergency Assessment, Recognition and Stabilization）とは、小児の急変時に必要な評価技術と安定化のスキルを学ぶための講習プログラムです。このプログラムでは、呼吸や循環の異常を体系的に評価し、迅速な対応を行うための知識を身につけます。特に、初期評価における第一印象や一次評価に重点を置いています。

臨床環境の追体験

PEARSのユニークな点は、実際の患児の映像やモニター画面を用いることで、臨床における状態をリアルに追体験できることです。受講者は医療現場での判断力を養うため、実際の患者の状態を確認し、体験を通じて学ぶことが可能です。シミュレーション訓練により、思考を行動に移し、直接的な経験を得られるので、医療における重要なスキルを身につけることができます。

医療現場で必要な知識

本コースは元々、小児の急変対応を中心に設計されていますが、成人における救命の流れにおいても非常に有用です。呼吸不全やショックが心停止を引き起こす主要な要因とされる現代において、PEARSで学んだアセスメント能力はそのまま成人のケースにも応用が可能です。この点で、非小児専門の医療者にも大変有益なプログラムとなっています。

小児BLSに特化したプログラム

日本の医療人材教育では、小児の救命手法が十分にトレーニングされていないという問題があります。ですが、PEARSは特に小児BLS（Basic Life Support）に特化したプログラムとして、日本国内では非常に希少な存在です。受講生は子どもの特性に応じた救命法を学ぶことができ、異なるケースに対する適切な対応を学習します。

看護師と救急救命士のための講習

PEARSはアセスメント技術を学ぶ講習ですが、単なる診断ではなく、呼吸困難の患者に対してその原因を見つける手法に特化しています。例えば、呼吸器の異常の一環として、肺炎や新型コロナウイルス感染症による問題を想定し、それに基づいた初期対応を学びます。この知識は看護師や救急救命士にとって不可欠なスキルです。