2024年法人向けネットワークサービス満足度調査の結果発表と企業の課題

2024年法人向けネットワークサービス顧客満足度調査の結果

株式会社J.D. パワージャパンが発表した2024年法人向けネットワークサービスの顧客満足度調査結果は、多くの企業が直面している課題を浮き彫りにしています。この調査は、全国の企業を対象に通信事業者が提供する法人向けネットワークサービスに対する顧客満足度を明らかにするもので、今年で23回目の実施となります。

セキュリティ対策が企業の大きな課題

今年の調査によれば、約半数の企業がセキュリティ対策の強化を重要な課題として認識しています。具体的には、大企業の51％、中堅・中小企業（SMB）の46％がこの問題に取り組んでいることが分かりました。しかし、ネットワークサービス事業者から「セキュリティ強化策の提案」を受けた際の満足度は前年を下回り、大企業では670ポイント、SMBでは672ポイントと高評価であるものの、前年調査からはそれぞれ13ポイント、9ポイントの減少が見られました。これは、提案内容に対する理解度や効果の明示性が低下していることを示唆しています。

衛星ブロードバンドサービスの注目

最近、衛星を利用した「衛星ブロードバンドサービス」が注目されています。調査の結果、既に大企業で3%、SMBでは1%の企業が導入しているものの、導入意向を示す企業はそれぞれ11%、5%と、将来の拡大が期待されています。このサービスの主な利活用目的は、災害時のBCP（事業継続計画）対策であり、特に自然災害の多い地域では、その必要性が高まっています。

顧客満足度ランキング

調査結果に基づき、法人向けネットワークサービスの顧客満足度ランキングも発表されました。大企業市場部門では、1位にソフトバンクが628ポイントで3年連続の首位を獲得しました。続いてNTTコミュニケーションズ、KDDIが続いています。一方、SMB市場では中部テレコミュニケーションが711ポイントで19年連続1位。ソニービズネットワークス、USEN ICT Solutionsが後に続きました。

課題解決に向けた提案の必要性

企業が識別する課題を解決するためには、ネットワークサービス事業者が個々の企業の状況に応じた提案を行うことが求められています。この調査によって多くの企業が抱えるセキュリティのリスクやBCPの必要性が再認識され、より効果的なサービス提案が期待されます。

本年度の調査結果は、企業のニーズに応じた柔軟な対応が求められることを示しており、今後のネットワークサービス業界における重要な指針となるでしょう。