ノルウェーの新しいクルーズ船「SeaZero」が描く未来の航海
2024年10月15日、ノルウェーに拠点を置くクルーズ運営会社Hurtigruten社と造船会社VARD社は、革新的な新造船「SeaZero」のデザイン設計を発表しました。この船は、沿岸巡航に特化したもので、最新の技術を駆使して環境への影響を最小限に抑えることを目指しています。
「SeaZero」の最大の特徴は、風力推進帆と大型バッテリーの搭載による経済的な運航です。これにより、通常の船舶よりも40〜50%もエネルギー消費を削減することが期待されています。さらに、帆の形状が柔軟に動かせるため、運航中のエネルギー効率をさらに向上させることが期待されています。予備的な計算によると、エネルギー消費を運航期間中に約10%削減できる見込みです。
また、太陽光パネルの設置も計画されており、これによりさらに2〜3%の節約が見込まれています。この太陽光パネルは、船の走行中に自己のエネルギーを補充するための重要な要素となります。帆のタイプはフランスのOceanWingsが開発したもので、同社はこの技術を欧州の貨物船にも導入しています。
「SeaZero」は、エネルギー効率を高めるために二重反転プロペラを用いて設計されています。船は約60MWhのバッテリーを搭載し、港湾業務中は2つの格納式スラスターを利用して最適な操縦を実現します。これによって、操縦性の向上だけでなく、安全性も確保されます。
また、船体には空気潤滑技術が採用され、これによって5〜10%のエネルギー節約が可能となります。さらに、「スマートキャビン」という機能を搭載しており、ゲストが自身のエネルギー使用を管理・調整できる仕組みが導入されています。
「SeaZero」号は全長135メートルで、270のキャビンを完備し、最大500人のゲストと99人のスタッフを乗せることができます。この新しいクルーズ船は、旅客輸送だけでなく貨物輸送の役割も担う予定です。
革新技術を取り入れつつ、環境への配慮を大切にする「SeaZero」は、未来のクルーズ業界に重要なメッセージを発信しています。今後の運航開始が待ち遠しいです。
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