新たな防災支援列車の実証実験が始まる
1. しなの鉄道と株式会社ふろしきやの取り組み
長野県を中心に活動する株式会社ふろしきやは、しなの鉄道株式会社からの委託を受けて、2025年6月7日(土)に「しなの鉄道Connect つながる防災フェス」というイベントを開催します。このイベントでは、災害時に備えて、避難者や物資を鉄道で運ぶ実証実験が行われます。本施工は、避難所をまるごと列車で運ぶという新しい取り組みであり、地域の防災力向上を目指すものです。
2. 実証実験の概要
イベント当日は、しなの鉄道が初めて挑むこの実証実験において、支援物資やボランティアスタッフ、関係者約60名が列車で運ばれます。戸倉駅から黒姫駅へと輸送されることで、避難所の開設が行われます。この取り組みは、地域の避難所を運営する力を高めるための第一歩と位置付けられています。
3. 鉄道による新しい支援方法
従来、災害時には道路の混雑や交通の混乱が問題とされてきました。しかし、しなの鉄道は鉄道の特性を活かし、広いスペースを確保できる戸倉駅を拠点として、支援物資を効率的に運ぶことを計画しています。このことで、迅速かつ効果的な支援体制の構築が期待されています。
4. 黒姫駅での避難所開設
黒姫駅に到着後、列車で運ばれた物資と人員を用いて避難所を開設します。会場は信濃町の有地を活用し、しなの鉄道の敷地も併せて利用する見込みです。避難所では、炊き出しや防災イベントを通じて、地域住民に具体的な防災対策を体験してもらいます。
5. 地域連携の重要性
今回の実証実験では「大雪による道路寸断」を想定しています。参加者は黒姫駅から戸倉駅まで列車で避難後、温泉旅館に移動する実体験を行います。このような地域連携が、災害時における実効性の高い支援プランを構築する上で重要となります。
6. 今後の展開
本実証実験から得た知見はアーカイブ化され、今後の地域防災体制強化に役立てられる予定です。地域の支援力を高めるために、鉄道の活用方法を検討するこの取り組みは、全国的にも注目されることでしょう。
この実証実験を通じて、しなの鉄道と地域が協力し合い、より強固な防災体制を築いていくことが期待されます。災害時の新たな選択肢を提供するこの取り組みが、多くの人々に安全をもたらすことを願っています。