パシフィック・ベイシン・シッピング社がNexusWaveを導入
2023年6月16日、海事産業向けの衛星通信を手掛けるインマルサット・マリタイム社は、世界中で数多くのドライバルク船を運航するパシフィック・ベイシン・シッピング社との間で、進化した通信サービス「NexusWave」を導入する契約を結びました。この取り組みは、船舶の運航効率を向上させるだけでなく、乗組員の福利厚生にも大きく寄与します。
パシフィック・ベイシン社は、香港を拠点にしており、デジタル化戦略を強化する中で、特に燃費効率と排出量報告の向上が求められています。これにより、ギア付きハンディサイズやスーパーマックスのばら積み貨物船を運航する同社は、船員とビジネスのコミュニケーションを強化することを目指しています。
NexusWaveの特長
NexusWaveは、インマルサットが独自に開発した統合型のネットワーク技術によって、船員とビジネスアプリケーションを常時接続することを可能にします。この技術は、トラフィックのルーティングを動的に調整し、海上においてもシームレスな通信環境を提供します。その結果、パシフィック・ベイシン社は、船舶と陸上間のオーディオ・ビデオ会議を途切れることなく実施できるようになります。
さらに、NexusWaveは無制限のデータ通信を可能にし、親しみやすいインターネット接続環境を提供することで、船員はまるで自宅にいるかのようにオンラインでのコミュニケーションを楽しむことができます。この取り組みは、なによりも乗組員のウェルビーイングを最優先に考えたものであり、船員が家族や大切な人々とスムーズに連絡を取る手助けをします。
実際の通信性能
最新の実環境テストによると、NexusWaveの完全管理型サービスは、ダウンロード速度が最大330〜340メガビット/秒、アップロード速度が最大70〜80Mbpsという結果を得ています。また、船舶上での通信可用性は99.9%を超えることが確認されています。これにより、パシフィック・ベイシン社は、通信コストを固定化し、予測可能な方法で管理できるようになります。
コメントと展望
このプロジェクトにおいて、パシフィック・ベイシン社の技術調達責任者であるSamar Das氏は、「私たちは、ドライバルク海運業界で初めてインマルサットNexusWaveを搭載した船舶を運航します。これにより通信チャネルが最適化され、陸上にいる家族との迅速なコンタクトが可能になります」とコメントしました。
インマルサット・マリタイムのセールス・ディレクターであるJustin Yi氏は、NexusWaveの採用が、パシフィック・ベイシン社の先進的な姿勢を示していると強調し、企業レベルの通信の高速性や信頼性の向上を実現したいと述べています。
このようにして、パシフィック・ベイシン・シッピング社は、船舶の運航及び乗組員の福利厚生を一層強化し、今後のさらなるデジタル化を進めていくことでしょう。海事産業における通信の進化は、このような取り組みから生まれています。今後も様々な進展が期待されます。