出産育児に関する社会の意識が変化し、男性の育休取得が少しずつ進んでいる現状があります。この度、XTalent株式会社による調査で、育休を取得した男性の多くが復職後に感じる“仕事と家庭の両立の難しさ”が明らかになりました。調査は2025年に行われ、172名の男性が対象となりました。
調査の結果からわかるのは、男性の育休取得率が年々上昇しつつある一方で、復職後に感じる困難の大きさです。85%の男性が1ヵ月以上の育休を取得していますが、86%が復職後に「仕事と家庭の両立が難しい」と回答しています。特に、「長時間労働が常態化している」との認識が58.8%に上ったことからも、企業の労働環境が依然として男性にとって大きなハードルになっていることが分かります。
また、過剰な業務に追われる中、特に「育児に理解のある上司がいない」と感じる男性が多いことも特徴的です。これにより、育休取得後は育児と仕事の両方を担うことに関して、支援が受けられないケースが多々見受けられます。実際、調査に応じた96%が「両立の困難さを理由に転職を検討している」と回答、26.5%は実際に転職を果たしたとのことです。
社会全体で男性の育休を支える意識が高まっている中、企業は男性職員が育休を取得した後も円滑に休日から職場に復帰できるよう、サポートを充実させる必要があります。
調査の概要
今回のアンケート調査は、2025年6月23日から同年6月30日にかけて行われ、「withwork」のLINE公式アカウントに登録している男性を対象としています。調査結果は、育児と仕事の両立に悩む男性たちのリアルな声を反映しており、今後の企業の人材戦略の見直しにもつながるでしょう。
男性育休の社会的な意義
男性が育休を取得することは、家庭における役割の再定義や、育児に対する意識を変える大きな一歩になります。在宅勤務の普及や働き方の多様性を反映し、家庭と仕事の調和を図るための施策が求められる今、企業が柔軟な制度を取り入れ、職場環境を整備することが不可欠な時代に来ています。
男たちの育休取得は、今や特別扱いされるものではなく、当たり前の選択肢として認識されつつあります。それでも、残された課題には真摯に向き合う必要があることを、調査を通じて感じ取らされます。育休後の男性が安心して働ける場を提供することで、企業は信頼性を高め、より多くの優秀な人材を引き寄せることができるでしょう。