茨城高専での国際交流プロジェクト
茨城工業高等専門学校(茨城高専)が、タイの高等専門学校KOSEN-KMITLからの12名の学生を温かく迎え入れました。この交流プログラムは令和7年10月6日から31日までの約1ヶ月間行われ、単なる教育の枠を超えた国際理解と友情の促進を目的としていました。
プロジェクトの概要
与えられたテーマ「オリジナルスピーカーを作ろう」に従い、参加学生たちは設計から組立、プログラミングにまで挑戦しました。実践的なモノづくりを通じて、学生たちは仲間と協力しながらその達成感を味わいました。もちろん、授業の合間には日本の文化を学ぶ時間も設けられ、体育大会や剣道体験など、日本特有のスポーツ文化にも積極的に参加しました。
教育の実績
タイ高専生たちは、応用数学や体育、日本語の授業に参加し、またタイ文化を紹介するプレゼンテーションを英語で行うなど、様々な学びの機会が提供されました。特に体育大会では、日本の学生たちと共に汗を流し、相互理解を深めることができました。
地域交流と忘れられない思い出
このプログラムでは地域との交流も重要な要素でした。ひたちなか市長への表敬訪問を行った他、地元の小学校での「高専ラボ」の実験を手伝い、そこで英語や日本語、さらにタイ語で児童たちと交流しました。この活動はタイの学生にとって貴重な体験となり、地域の人々とのつながりを強化するものでした。
企業・研究機関訪問を通じて
学生たちは、コマツやカゴメ、日立ビルシステム、さらにはJAXA筑波宇宙センターなど、日本の最先端産業や技術を学ぶための訪問を行いました。このような経験を通じて、学生たちは日本の技術力に感心し、将来のキャリアに対する視野を広げることができました。
深まる友情と成長
滞在中、タイ高専生たちは自国の友人だけでなく、茨城高専の日本人学生とも深い友情を育んでいきました。一緒に過ごす時間が増える中で、言葉の壁を越えてコミュニケーションを楽しむ姿も見受けられました。また、日本語教員が作成したオリジナルの日誌に毎日記入することで、日本語の学習も強化されました。
研修の成果報告
最終日には成果報告会が行われ、英語でのプレゼンテーションを通じて彼らの研修の成果が発表されました。学生たちは「日本の高専生の姿勢に感動した」、「両国をつなぐエンジニアになりたい」という意欲的な言葉を述べました。
学生の声
一人のタイ高専生は研修を振り返り、次のようにコメントしました。「言葉の壁を乗り越え、仲間と協力して一つの作品をつくることは大きな達成感でした。どんな場面でも積極的で助け合う姿勢に多くを学びました。」
茨城高専の未来
茨城高専は1964年の創立以来、基礎から応用まで科学技術を学ぶための教育を提供してきました。次世代のエンジニアを育成するために、今後も国際的な視野を持った教育活動を行っていくことでしょう。多様な文化と協力することで生まれる新たな価値を、これからも創造していきたいと考えています。
このように、茨城高専の国際交流プログラムは学生たちに多くの刺激と成長の機会を提供しました。今後もこの取り組みを続け、世界に通じる人材の育成を目指していきます。