高専生の未来を切り開く「KIC」令和6年度の改革
令和6年度、高等専門学校(高専)生向けのイノベーション創出を目指したプログラム「KOSEN Incubate Committee(KIC)」が4月からスタートしました。このプログラムは、ReGACY Innovation Groupが提供しており、全国の高専生に対してアントレプレナーシップの醸成を促進しています。
KICは、年間を通じて前期と後期に分かれた構成になっています。前期には、広島商船高等専門学校にてワークショップ形式のレクチャーが行われ、学生たちはチームを組んで事業アイデアの策定に取り組みました。後期は、前期に策定した事業アイデアの実証を行い、その成果を発表する場が設けられます。2025年2月23日には後期の成果発表会が行われ、全11チームが自身の成果を発表しました。
KICの目的と特徴
KICは、専門分野の知識や技術を活かして新たな事業の構想を支援することを目的としています。参加資格は特に設けられておらず、どの学科や学年でも「何かを作ってみたい」「起業に興味がある」といった意欲があれば誰でも参加可能です。これにより、多様なアイデアが集まり、革新的な事業が生まれる基盤が整っています。
参加者は、前期の発表会でステージゲートを突破すると、次の段階である後期プログラムで実証実験に必要な資金を獲得できます。この資金は、ReGACYが運営するGAPファンドから提供されるもので、金額は50万円または150万円となっています。これを元にチームは、プロトタイプの作成に取り組むことができ、初期の実証を経て事業仮説の検証を進めることが可能です。
成果発表会の内容
後期のプログラムでは、計3回のレクチャーとメンタリングが行われます。参加チームには、メンターの支援のもと、実証期間中に事業アイデアの生成から具体的な成果につなげるプロセスが用意されています。発表会では、既に実証を経験した事業アイデアの発表が行われ、その内容には審査員からの講評も加わるため、フィードバックを受けながら次のステップに進むことができます。
本年度の発表会は、参加チームにとって自らの取り組みを振り返る貴重な機会となり、今後の活動に向けた新たな展望が示されたことでしょう。また、講評者からは実証結果を基にした具体的なアドバイスがあり、学生たちは次年度の活動に向けてのインスピレーションを得ました。
KICの未来
ReGACY Innovation Groupは、KICを通じて全国の高専生が起業家としての素養を育むことを目指しています。学生にとっては、単に事業アイデアを発表する場だけではなく、将来的なキャリア形成へ向けた貴重な経験機会となります。企業と高専生とのコラボレーションを促進することで、日本のイノベーションの未来を担う人材が育成されることを期待しています。
プログラムの詳細は公式ウェブサイト(https://kosen-incubate.jp)をご覧ください。