エーザイが導く人的資本経営の革新と社内文化の変革
昨今、企業の人的資本経営がますます重要視されている中、エーザイ株式会社はその最前線での取り組みを進めています。同社の最新プロジェクトである『Human Capital Report 2025(HCR2025)』が注目を集めている理由は、ただの報告書にとどまらず、社員が心からの思いで自社を語れるような構造をもっているからです。これは、組織と個人の間により良い関係を構築し、個々のキャリア開発を支援することを目的としています。
三瓶悠希部長のインタビューが公開
エーザイ株式会社のピープル&コミュニケーション戦略部部長、三瓶悠希氏は、最近、一般社団法人プロティアン・キャリア協会のYouTubeチャンネルに登壇し、全3回の特別インタビューシリーズの第2弾を公開しました。このシリーズでは、HCR2025がどのように作成されたか、またそのプロセスでの共創や社内文化の変革に関する詳細が語られています。
特に注目すべきは、エーザイが伊藤邦雄最高顧問や丸井グループ、味の素、中外製薬といった多数の企業と連携し、共創を進めたプロセスです。この「ぶつかり稽古」と呼ばれるディスカッションは、相互に学び合い、より良い方向に導くための重要な手法として評価されています。
グローバルな連携を通じた新しい価値創造
さらに驚くべきは、エーザイが「海外事業」まで巻き込む形でのグローバル連携を実現した点です。海外販社の人事部門から「エナジーに満ちた人材」を推薦してもらう取り組みは、国境を超えた協力関係作りの優れた手法として、多くの企業が注目するモデルとなっています。これによって、エーザイが世界中で多様な人材を持ち寄ることで、社内の熱量がさらに高まりました。
社内の熱量を引き出すSynergy Wave
また、HCR2025の制作プロセスには『Synergy Wave』という社員参加型プロジェクトが組み込まれています。ここでは、24名の社員や約50名のインタビュー協力者が積極的に関与し、制作体制をボトムアップ型で整えました。この取り組みにより、社員は自らの声が反映されることに喜びを感じ、企業全体の士気も向上したと言われています。これこそが、エーザイが目指す戦略的な組織開発の一部であり、彼らが「まずやってみる」という姿勢を大切にする理由なのです。
今後の展望と使命
『Human Capital Report 2025』は、人的資本を単なる効率的な「資源」として扱うのではなく、価値を創造・増殖する「資本」として捉えています。この革新的なアプローチは、他の企業にも影響を及ぼし、人的資本経営を推進する動きが加速することでしょう。
一般社団法人プロティアン・キャリア協会としても、エーザイの取り組みを広めることで、日本全体のキャリア自律や企業価値向上に寄与し続ける意気込みを持っています。我々の目的は、社員一人ひとりが自らのキャリアを自己発展させ、組織がその成長を支援するというwin-winの関係性を構築することなのです。
このように、エーザイの人的資本経営のビジョンは明確であり、今後も多くの企業がこのモデルを参考に、それぞれの状態に応じて独自の取り組みを進めていくことが期待されます。