坂口尚の傑作漫画『VERSION』が待望の復刊！その魅力とは

坂口尚の傑作漫画『VERSION』が待望の復刊！

漫画界における巨匠、坂口尚による傑作『VERSION』が、映画のような美しい描写と緻密なコマ割りで待望の復刊を迎えました。この長編作品は、AIと自我という奥深いテーマに挑戦し、読者に問いかけ続ける作品です。

深いテーマに迫る『VERSION』

『VERSION』は、ロボットやコンピュータが自我を持つことをテーマとしており、自己増殖の概念までを含めて、「人類や自我とは何か？」という根源的な問いに迫ります。バイオチップ「我素」を巡る物語は、現在のテクノロジーの発展と重なり、現実味を帯びたストーリーとして読者を引き込みます。

物語は、国家秘密の調査に当たる私立探偵が依頼を受け、生体情報素子「我素」を研究する博士を探すという展開から始まります。この探偵は、博士の娘で「我素」の秘められた謎を理解する映子と共に、オーストラリアに向かい捜索を繰り広げます。物語は、ただの冒険に留まらず、AIの進化とそれがもたらす人類の未来を見据える深い考察が織り交ぜられています。

大判サイズでの復刻の魅力

今回の復刊は、青騎士コミックスから登場し、大判サイズで提供されるため、坂口尚の緻密な描写を存分に楽しむことができます。また、初版時のカラーページがそのまま収録されているだけでなく、巻末には構想ノートやスケッチ画も含まれていて、ファンにはたまらない内容となっています。復刊された1冊目と2冊目は2025年2月20日発売予定で、3冊目は同年3月19日に発表される予定です。

坂口尚の功績と影響

坂口尚は1946年に生まれ、1995年に惜しくも49歳で亡くなりましたが、彼の作品は今なお評価が高く、新たな世代の漫画家にも影響を与え続けています。特に、2023年には第二次世界大戦とナチスに侵攻された多民族国家ユーゴスラビアの歴史を描いた『石の花』がアングレーム国際漫画祭で「遺産賞」を受賞し、彼の名声を不動のものとしました。

『VERSION』は、坂口尚の長編3部作の3作目となり、これまで発表された『石の花』『あっかんべェ一休』と同様に、多くの読者に愛されてきた作品です。彼の独特の視点から描かれる物語は、読者に新たな気づきを与えてくれることでしょう。