地球温暖化の影響を受ける天然氷を守る挑戦
八ヶ岳南麓に位置する山梨県北杜市で、創業者の高橋秀治氏が率いる「蔵元八義」。ここは、極上の天然氷を生産する貴重な場所だ。しかし、その天然氷は地球温暖化の影響で減少を続けている。野外での製氷作業は、年々厳しい気象条件に直面し、特に冬季は気温上昇や雨雪による影響が顕著だ。
高橋氏が天然氷の存在を知ったのは、2012年。あるかき氷屋での一杯に感動し、自身でも天然氷を作る挑戦を決意した。しかし、天然氷の製作は一筋縄ではいかない。清らかな水と寒い気温が揃わなければ、理想的な氷を作ることはできない。そのため、八ヶ岳南麓の気候が選ばれた。
自然の恵みを得る難しさ
天然氷の生産には、気象条件が大きく関係している。一年を通じて「晴れた寒い日」を狙うことが必要であり、条件が揃わないと氷は溶けてしまう。高橋氏は当初、厳しい環境での製氷に苦しんだが、仲間との協力を通じて、日本屈指の蔵元に成長した。昭和初期には全国で100件以上あった蔵元も、今や5件にまで減少している。
天然氷の魅力
1.
日本の名水「八ヶ岳の水」: 高橋氏が使用する水は、八ヶ岳の地下約80mから汲み上げた湧水。長い時間をかけて自然にろ過されたこの水は、地域の名水として知られ、飲料水としての質も非常に高い。
2.
飲み物本来の味を活かす: 天然氷は時間をかけてゆっくりと製氷されるため、非常に密度が高く、溶けにくい特性を持つ。このためお酒の水割りやアイスコーヒーが味わい深く、純氷では得られない特別な体験ができる。
3.
圧巻の透明度: 天然氷は、不純物が少ないため、その透明度は圧巻。グラスに入れた瞬間、氷の存在が目立たなくなるほど美しく、別名「忍者氷」とも称される。
未来に向けた挑戦
しかし、高橋氏の挑戦は続いている。温暖化の影響で、ますます厳しい環境になる中、彼は天然氷を守るために日々努力し続けている。自然と共に生きることの大切さを伝え、失われつつある伝統的製法を広めるため、伴侶や仲間とともに、クラウドファンディングにも挑戦している。
「私たちの天然氷は、ただの氷ではなく、自然の恵みそのものです。この美味しさを未来に残したい」と高橋氏は語る。これからも彼の活動に、目が離せない。
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