日本の物流業界を支えるベトナムの大型トラックドライバー育成プログラム

大型トラックドライバー育成プログラムの新たな一歩

FPTジャパンとヤマト運輸が、特定技能制度を利用したベトナムからの大型トラックドライバーの採用と育成に向けて基本合意を結びました。これは、日本国内の物流業界の持続可能な発展に向けた重要な一歩です。2025年11月12日に締結されたこの合意では、物流業界全体の輸送力を強化するための新しいプラットフォームの構築が目指されています。

課題と機会

日本のトラックドライバーの平均年齢は50.9歳に達しており、全産業に比べて6.8歳も高くなっています。このことは、将来的な人材不足を引き起こす懸念があります。一方、ベトナムでは国際的な就労希望者が増加しています。FPTグループは、多年にわたる人材育成のノウハウを持ち、若者たちが日本で働ける機会を提供することで、双方向の流動化を促します。

プログラムの概要

この新たなプログラムの下で、FPTはベトナムの教育機関で特別クラスを設け、日本の運転経験を求めるベトナムの若者を対象に育成を行います。

プロセス

1. ベトナムでの入学希望者募集（2025年12月以降）
特別クラスを新設し、入学希望者の募集を開始します。

2. ベトナムでの育成（半年間）
日本文化や日本語（N4レベル）、そして安全に関する基礎知識をヤマト運輸の指導のもとに学びます。最終的に、特定技能1号評価試験を受験します。

3. 日本での育成（1年間）
2026年内に日本のFPTジャパンの日本語学校に入学し、さらに日本語（N3レベル）を学びます。また、日本の運転免許に関する資格取得も目指します。

4. 特定技能外国人として日本で勤務開始（5年間）
2027年にヤマト運輸に入社し、社内運転免許を取得して、実際の運送業務に従事します。生活面や運転技術の支援を受けながら成長していきます。

企業の思い

FPTの創業者チュオン・ザー・ビン氏は、「物流は経済の生命線であり、持続可能な発展には専門人材が不可欠」と述べ、若者が安心して新しい環境で挑戦できるような支援を強化する意向を示しました。また、ヤマト運輸の長尾裕社長も、ベトナムの若者の成長に貢献したいとの思いを語りました。

両社の取り組みは、単なるビジネスの枠を超え、国境を越えた共生社会の実現に向けた重要な措置です。互いに協力し合うことで、より強固で持続可能な物流環境を実現することを目指しています。これにより、日本とベトナムの双方に新たな価値をもたらすことでしょう。