ANSeeN、資金調達成功
2018-11-21 15:00:12
ANSeeN、約3億円の資金調達で超高解像X線センサの量産化を推進
ANSeeN、シリーズAラウンドで資金調達
静岡大学発のベンチャー企業、ANSeeNは約3億円の資金を調達し、世界初の量産可能な超高解像X線イメージセンサの開発を推進します。この資金調達には、リアルテックファンドを含む複数の投資事業有限責任組合が参加しました。特に、同社は「目に見えないものの可視化」をビジョンに掲げ、X線の特性を最大限に引き出すことに取り組んでいるのです。
X線技術の新たな展望
X線は、1895年にレントゲンによって発見され、物体を安全に透過させる特性から医療分野で広く使用されています。しかし、その特性はまだ完全には活用されていません。ANSeeNは、この未発達な分野に挑戦し、X線の最小単位であるフォトン1つを捉える先進的なイメージング技術、すなわちフォトンカウンティングを実現しようとしています。
同社の目標は、大画面X線FPD(Flat Panel Detector)の量産化であり、これにより医療用のみならず、電子デバイスの欠陥を捉え自動運転車の安定性を向上させるといった新たな用途も期待されます。自動運転技術において、信頼性の高い電子デバイスの重要性は増す一方であり、ANSeeNの技術はその実現に寄与するでしょう。
技術顧問の就任
資金調達と並行して、ANSeeNは新たに二人の技術顧問を迎えました。一人目はGE HealthcareでCTOを務めたMichel Harsh氏で、彼はX線や超音波技術の開発において豊富な経験を持っています。彼は、ANSeeNの直接変換型センサが持つ100倍の高いカウントレートの可能性を評価し、医療やセキュリティ用途での応用を肯定的に捉えています。
二人目は日立パワーソリューションズの副技師長を歴任した服部行也氏です。彼はANSeeNが行ったタイリング技術によるコスト低減と均一性の改善に注目し、これにより大型金属部品の検査も視野に入ると述べています。
ANSeeNのコアテクノロジー
ANSeeNの強みは、主に以下の2つのコアテクノロジーにあります。
1. 高速計測処理技術 - 同社はフォトンの特性を最大限に引き出すための独自のLSIを開発。これにより、従来の10倍以上のコントラストを実現し、疾患の早期発見や欠陥判別を可能にします。
2. タイリング技術 - 小型化合物半導体結晶を使用し、FPDの大型化と低コスト化を同時に実現。これによって、従来利用が難しかった分野でも技術が活用できるようになりました。
企業情報
ANSeeN株式会社は、2011年に設立され、静岡県浜松市に本社を置いています。次世代放射線検出器の設計開発および製造販売を行い、現在はX線イメージセンサの量産化に向けた開発を進めています。同社のウェブサイトでは、最新の情報や技術に関する詳細が掲載されています。
お問い合わせ
興味のある方は、ANSeeNの公式ウェブサイトを訪れるか、直接お問い合わせください。担当者が丁寧に対応いたします。
会社情報
- 会社名
-
株式会社ANSeeN
- 住所
- 静岡県浜松市中区城北3-5-1静岡大学光創起イノベーション研究拠点棟303
- 電話番号
-
053-522-7708