あわら市の小学生が伝統菓子「とびつき団子」を学ぶ試み

福井県あわら市で伝統菓子づくり

福井県あわら市の本荘小学校では、地域に根ざした伝統菓子「とびつき団子」の調理体験が行われました。この試みは、地元の味を未来に引き継ぎ、子どもたちに地域食文化の大切さを伝えることを目的としています。

「とびつき団子」とは？

「とびつき団子」は、福井県あわら市や坂井市の一部で親しまれる和菓子で、もち米で作った団子にササゲ豆をまぶしたものです。この団子はお盆のお供え物として知られており、ササゲが団子にまるで飛びついているように見えることからその名が付けられました。

本荘小学校での体験

この日、あわら市本荘小学校の４年生たちはJA福井県女性部の協力のもと、伝統菓子の作り方を学びました。地域の食文化を知る機会として、この特別授業が設けられ、児童たちは講師の指導を受けながら実際に団子を作ってみました。

魅力ある郷土料理の体験

参加者は、ササゲを煮るところから始め、もち米粉とうるち米粉を混ぜて団子の生地を作る工程を経験しました。団子を茹でた後、熱々のうちにササゲをまぶすという実践的な体験を通して、地域の郷土料理を学ぶことで、自分たちの住む地域の良さに気づいてもらいたいと主催者は考えています。

「とびつき団子」の魅力

味の特徴

とびつき団子は、もち米と混ぜたうるち米を使用し、煮込まれたササゲ豆がしっかりと団子にくっついています。甘さ控えめで、子どもからお年寄りまで広く好まれています。この素朴な味わいは、地域の人々に長年愛され続けています。

名前の由来

団子にササゲが飛びついたように見えることから「とびつき団子」と名付けられたという説があります。また、おいしさゆえに手が伸びてしまうという意味でもこの名前が使われています。

歴史と現在

お盆のお供え物や結婚した女性が実家に帰省する際の手土産として作られてきたこの団子ですが、近年は作る人が減少していました。しかしながら、郷土料理を守る団体や和菓子店での普及活動により、その味わいは今も継承されています。

あわら市の伝統と郷土料理

あわら市の伝統的な食文化は、地域の生活や行事と深く結びついています。「ごんぼ汁」や「打ち豆なます」、「水ようかん」といった他の郷土料理も多く、これらの料理も市内の教育やイベントで紹介されています。

「おばあちゃんの味の日」

また、あわら市では毎月25日を「おばあちゃんの味の日」と定め、過去の伝統料理のレシピを紹介しながら、若い世代に伝統的な味を伝えています。このようにして、あわら市は地域食文化の継承に力を入れています。

福井の豊かな食文化を体験する機会を通じて、子どもたちが「とびつき団子」を学び、地域への愛着が深まることを期待しています。食べることだけでなく、地元の歴史や文化を知ることができる貴重な体験となったことでしょう。