中部国際空港で進行中の3輪EV試験運用
2025年6月18日から、中部国際空港セントレアの制限区域内において、三菱オートリース株式会社とレンタルのニッケン、中部国際空港株式会社が共同で3輪EVの試験運用を開始しました。このプログラムは、2024年6月から施行される空港制限区域内での3輪車両の使用を見据えたものです。
目的と背景
試験運用の主な目的は、空港内における小型電動車両(3輪EV)の有用性を評価し、業務の効率化と環境負荷の低減を目指すことです。今回は、特にグランドハンドリング事業者からのニーズを受け、現場での実際の使用状況を知ることが重要とされています。最終的には、中部国際空港の脱炭素化を進めるため、3輪EVが選択肢に入るかどうかを見極めることが狙いです。
試験運用に参加する企業は、1週間にわたり3輪EVを貸与され、通常業務で実際に使用することができます。その結果、移動手段としての使い勝手だけでなく、EV特有の課題、たとえば航続距離や充電の手間についても体験することが期待されています。
実施概要
実施期間とエリア
この運用は2025年の6月18日から7月31日までの間、特に中部国際空港制限区域内で実施されます。公道での使用はなく、サービスレーンやスポット後方車両通行帯は除外されます。
車両の詳細
貸与される3輪EVは以下の通りです:
- 定員:3名
- 航続距離:70㎞(バッテリー1つ使用時)
- 充電時間:約6時間
- 定員:1名
- 航続距離:77㎞(バッテリー2つ使用時)
- 充電時間:約6時間
- 定員:1名
- 航続距離:100㎞(満充電時)
- 充電時間:約6時間
これらの3輪EVは、環境に配慮した業務運用を進めるために設計されています。
説明会と試乗会
運用が開始される前日の6月17日には、空港事業者向けに3輪EVの説明会と試乗会が開催され、多くの関連事業者が参加しました。参加者からは、「加速がスムーズで、小回りも良かった」や「安定性が高く、ある程度の荷物も運べる」といった感想が寄せられ、その利便性が実感されていました。
三菱オートリースの名古屋営業一部部長、竹内貴弘氏は、本試験運用に関して「現場での操作性や環境負荷の低減を確認しつつ、今後の導入に向けた課題も探っていく」と述べています。この取り組みにより、関係企業との連携を深めながら、EV利用の促進と業務効率の向上に向けた提案が進められることが期待されています。
企業の取り組み
三菱オートリースは、現在、自動車やモビリティに関するリースやメンテナンスの総合ソリューションサービスを展開しており、特に電動車を通じたカーボンニュートラル実現のサポートに注力しています。これにより、企業の脱炭素への取り組みを支援するとともに、自社のサービスを進化させています。
将来的には、3輪EVが中部国際空港における新たな移動手段として定着することも考えられており、この試験運用がその道筋をつけるものとなるでしょう。