限界を超えた努力が実を結ぶ
この度、ハンガリー・ブダペストで開催された2025年柔道世界選手権大会において、IPU・環太平洋大学の卒業生、田中志歩選手(女子70kg級)と嘉重春樺選手(女子63kg級)が、それぞれ見事に金メダルを獲得しました。二人の勝利は、彼女たちの卓越した技術と精神力が試される素晴らしい舞台での結果であり、大学関係者や多くの在学生、卒業生にとって誇らしい快挙です。
田中志歩選手の感動の戦い
女子70kg級に出場した田中選手は、11期生でJR東日本に所属しています。彼女は特に粘り強い試合運びで、数々の強豪選手を相手に圧巻のパフォーマンスを披露しました。自身の悲願である初優勝を果たすことができた背景には、在学中からの努力があったことは言うまでもありません。ここでは田中選手の戦績を振り返ってみましょう。
- - 2回戦: 田中選手が反則指導により、スロベニアのカヤ・シュステル選手を下す。
- - 3回戦: ポルトガルのタイス・ピナ選手に対し、GS(ゴールデンスコア)で技ありを取り、勝利。
- - 準々決勝: ドイツのミリアム・ブートケライト選手を優勢判定で撃破。
- - 準決勝: スペインのアイ・ツノダ=ロウスタント選手に対しても優勢で勝利。
- - 決勝: クロアチアのララ・ツヴェツコ選手を相手に、GSで有効技を決めて見事に優勝。
彼女の強さは稽古に裏打ちされたものであり、その根底には絶え間ない努力と情熱があるのです。
嘉重春樺選手の華麗なる勝利
続いて、女子63kg級に出場した12期生の嘉重春樺選手。彼女はブイ・テクノロジーに所属した選手であり、初出場ながらも全ての試合を寝技で制し、優勝をつかみ取るという驚異のパフォーマンスを見せました。嘉重選手の戦績と試合の流れを見ていきましょう。
- - 2回戦: 中国のタン・ジン選手に対し、縦四方固で勝利。
- - 3回戦: クロアチアのイヴァ・オベラン選手を送襟絞で仕留める。
- - 準々決勝: モンゴルのボルド・ガンハイチ選手に対し、小内刈で優勢勝利。
- - 準決勝: ブラジルのナウアナ・シウバ選手に肩固で勝利。
- - 決勝: カナダのカトリーヌ・ブーシェマン=ピナール選手を相手に、GSで有効技を決め優勝。
嘉重選手もまた、学生時代に田中選手と切磋琢磨しながら腕を磨いてきた経験が、彼女の勝利に大きく寄与しています。
在学生への励みと今後の展望
両名の成果は、在校生にとっても大きなインスピレーションとなっています。IPU・環太平洋大学柔道部の矢野監督は、二人の堂々たる戦いぶりが在学生に勇気を与えており、今後の全日本学生柔道優勝大会に向けて士気が高まっていると語っています。大会は6月28日に開催される予定で、在校生たちもこの二人を手本にしっかりと準備を進めていることでしょう。
この度の金メダル獲得は、IPU・環太平洋大学の誇りであり、柔道界に新たな風を吹き込む結果となりました。これからも彼女たちの活躍に期待したいと思います。