TOPPAN、新しい絵本読み聞かせサービス「Yondee!®」を開始

TOPPANが新サービス「Yondee!®」を始動

株式会社TOPPANは、ハンズフリーで絵本を読み聞かせる新しいサービス「Yondee!®」の提供を開始しました。このサービスは、専用のウェアラブルデバイスを使用し、絵本のページを認識して自身の音声コンテンツを提供する仕組みを持っています。特に、絵本や雑誌などの画像認識が可能なAIシステムを実装しており、紙媒体の魅力とデジタル技術を融合させ、新たな読書体験を提案しています。

「Yondee!®」の誕生背景

TOPPANは、2022年4月にイギリスのTangent Design and Invention Ltd社との協力のもと、初期の「Yondee!®」を開発。これまでのイベントで体験版を実施し、その使い勝手を確かめてきました。そして、この度新たに絵本の認識精度を高めるAI技術を加えてリリースに至りました。このシステムは、斜めや横向きなど、さまざまな角度からの読み取りに対応し、子供たちが通常の読書シーンでどのように活用できるのかを模索しています。

特筆すべきは、TOPPANが東京大学との共同研究を通じて、このサービスの効果を検証している点です。特に読み書きに困難を抱える子供たちにとって、絵本の読み聞かせがどのような影響を持つかを調査し、幅広いユーザーへ向けた新たな読書の楽しみを提供するとしています。

新たな読書体験を提供する「Yondee!®」

今の時代では、デジタルメディアの急増によりアナログメディアの価値も新たに見直されています。TOPPANは、紙媒体における体験データを取得するために、限定的な印刷や特殊加工が必要だった従来の方法を改善し、手軽にデジタルコンテンツを享受できる環境を整えています。「Yondee!®」の導入により、デジタルとアナログのコラボレーションで新たな体験価値が得られることを期待されています。

画像認識AIシステムの特長

1. 高精度な画像認識

「Yondee!®」では、紙媒体専用のAIモデルを開発しました。さまざまな視点からの画像を自動生成して教師データとして学習させることで、どんな方向からでもスムーズに絵本のページが認識される仕組みを実現。これにより、子供たちが多様な姿勢でも書籍を楽しむことができるのです。

2. 便利なアプリケーション

このアプリケーションは、特別な印刷や2次元バーコードを必要としません。そのため、過去に出版された本でも画像さえあればコンテンツの拡張が可能になります。

3. 幅広い応用可能性

TOPPANは、スマートフォンに搭載したAIとカメラを活用したシステムの開発にも着手しており、今後さまざまなデジタルとアナログの融合が期待されています。

購入方法と今後の展望

「Yondee!®」は、クラウドファンディング「CAMPFIRE」にて、2024年11月27日から2025年1月22日まで販売予定です。ウェアラブルデバイスや関連アクセサリー、24冊の絵本が購入可能となっており、ユーザーのニーズに応じた絵本の組み合わせも選択できるようになっています。

今後、TOPPANは多様なコンテンツホルダーと連携し、AI画像認識技術を駆使した新たなサービスを開発する計画です。この読書バリアフリーへの取り組みを通じて、すべての人が読書を楽しめる世界を目指します。

この新たなサービス「Yondee!®」は、絵本の読み聞かせを通じて子供たちやその家族がより豊かな生活を送るための一助となることを目的にしています。