AIを活用した新しい教育の形 - 「Hour of AI」
2023年12月27日、東京都内にて特定非営利活動法人デジタルものづくり協議会と日本マイクロソフトが共催する「Hour of AI」が開催され、多くの教育関係者が集まりました。このイベントは、世界で2,500万人の学生や教師、家庭に向けてAIを身近に体験できる機会を提供することを目的としています。
この取り組みは、学習者がAIをただ受け入れる存在から、理解を深め活用し、創造する立場へと成長することを目指しています。特に教育において、AIの導入は急速に進んでおり、イベント参加者は授業や学習、教室内コミュニケーションをより魅力的かつ効率的にするAIツールの使い方を学ぶことができます。
教育関係者による参加と実践的体験
「Hour of AI」では、参加者が授業や学びの現場で具体的に使える100以上の教材にもアクセスしました。これにより、AIリテラシーの育成に役立つ多様なツールが提供され、教育者たちは学んだ知識を学校に持ち帰り、生徒にAIの活用機会を提供することが期待されています。
特定非営利活動法人デジタルものづくり協議会の土井隆代表理事は、「学校や地域の教育関係者と協働し、AIリテラシーを育む場を提供できた」と語っており、これが創造性を発揮するための土台となることを強調しました。さらに、日本マイクロソフト株式会社の大島葉子氏は「多くの生徒がAIを正しく理解していない現状を改善したい」との意向を示し、教育者がAIを活用する支援をすることを明言しました。
参加者の反応と今後の展望
当日のイベントでは、AIの最新動向を解説し、質疑応答やディスカッションも行われ、参加者にとって充実した学びの機会となりました。また、名古屋市立正色小学校の教員は、教育版Minecraftの活用法やAIエージェントの可能性について学び、「教員としての業務を効率化する手法を習得できた」と振り返っています。このように、参加者が現場での実践に役立てることを期待されています。
日本マイクロソフトの宮崎翔太氏は、AIの導入が校務の効率化を進めるだけでなく、先生たちが生徒に向き合う時間を増やすことを可能にすることを強調しています。今後も、Hour of AIを通じて、教育現場におけるAIの活用をサポートしていく考えを示しました。
この「Hour of AI」の取り組みは、教育NPO、テクノロジー企業、そして企業ボランティアの共同作業で実施され、AIリテラシーを広げるための新しいモデルとして注目されています。この共同事業が日本のAI教育の未来を切り拓く一助となることが期待されています。
デジタルものづくり協議会の取り組み
特定非営利活動法人デジタルものづくり協議会は、東京都文京区千駄木に本拠を置く団体で、Minecraftカップなどの運営やデジタル機器を活用した教育・研究・普及活動を行っています。地域の子どもから大人までを対象に、デジタルものづくり体験の機会を提供し、学びの交流拠点としての役割を果たしています。これからもデジタルテクノロジーを活用した教育の発展に寄与していくことでしょう。