スマート農業と共創プロジェクト「一俵プロジェクト」
IoT技術を活用した農業が今、注目されています。株式会社farmo(ファーモ)は、農業の未来を変える「一俵プロジェクト」なる新たな取り組みを2025年6月25日に発表しました。このプロジェクトでは、農家が生産した米一俵を提供し、その代わりにスマート農業機器である水位センサーを受け取るという物々交換の仕組みが実現されます。
背景と目的
近年、米の価格が急激に変動し、消費者にとっても農家にとっても不安定な状況が続いています。特に、備蓄米の放出や詐欺サイトの登場による影響は深刻で、農家の献身的な努力が見過ごされることもしばしばです。
このような状況の中で、farmoはスマート農業の導入が、農業が抱える高齢化や労働力不足という課題を解決する鍵になると考えています。そこで、農産物の生産者と消費者との関係を見直し、共に支え合う新しい仕組みを作り上げることを目指しました。この「一俵プロジェクト」では、米と水位センサーを交換することで、農業の効率化を図るとともに、消費者には「顔の見える農業」を提供します。
一俵プロジェクトの仕組み
このプロジェクトでは、農家が育てた米一俵と、farmoの水位センサーを物々交換します。これは、農家が金銭的な負担を感じることなく、高価な技術を導入できるという利点があります。交換された米は消費者の元に直接届き、農家の顔が見える流通が実現します。
また、プロジェクトによって得られた収益は、農地にLPWA(Low Power Wide Area)通信インフラを整備することに使われ、スマート農業の基盤を構築していきます。この循環型モデルにより、生産者と消費者が密接に繋がる「共創型農業エコシステム」が形成され、持続可能な農業の未来が築かれるのです。
プロジェクトの期待と展望
「一俵プロジェクト」は、以下の目標を持っています。
- - 農家の作業負担を軽減し、作業効率を向上させる。
- - 米の生産性を高め、持続可能な農業運営を支援する。
- - 誰がどのように米を育てているのかを消費者が理解できる「顔の見える食」としての文化を形成する。
- - 収益によって通信インフラを整備し、テクノロジーを通じて農業の未来を支える。
この諸施策を通じて、farmoはより多くの農家と消費者を巻き込み、共に新しい農業の形を創り出す活動を展開していきます。テクノロジーと人の心を大切にした、持続可能な農業の未来に向けて、農業界に新風を吹き込む試みとなることでしょう。
会社概要
株式会社farmoの代表取締役である永井洋志氏は、「知恵と技術と心で人を幸せにする企業」を経営理念に掲げ、地域や人々のために新たな価値を創造する企業を目指しています。本社は栃木県宇都宮市に位置し、農業用IoT製品・サービスの開発・販売を行っています。これからも地域密着の活動を通じて、持続可能な農業の未来を提案していくことでしょう。
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