Momentumが提供開始した著作権侵害調査分析サービス
Momentum株式会社は、デジタル広告業界の健全化を目指し、著作権侵害に関連した調査と分析サービスを始めました。この新サービスは、主にインターネット上の違法アップロードコンテンツの特定や、その周辺に関連する広告の状況を把握することに重点を置いています。
インターネット広告におけるブランドセーフティ
デジタル広告において、ブランドセーフティは非常に重要な要素です。違法にアップロードされたコンテンツに依存する広告活動は、企業のブランドイメージを損なう危険性があります。Momentumのサービスは、このようなリスクを軽減することを目的としています。特に、著作権侵害の該当となるWebサイトやYouTubeチャンネルの特定を行い、影響を受ける広告を把握するための情報を提供します。
主なサービス内容
モメンタムは、主力商品「HYTRA DASHBOARD」を通じて、ターゲットとなるWebサイトやアプリ、YouTubeチャンネルの非推奨リストを提供します。このリストには、著作権侵害に該当するコンテンツが含まれており、具体的には以下のような情報を提案しています:
- - 番組名やキャラクター名などを指定した違法アップロードコンテンツの特定
- - 違法アップロードされたコンテンツに付随する広告の実態把握
このサービスは、広告主や代理店が潜在的なリスクを把握し、より安全な広告運用を実現するための援助となります。
調査実績の概要
また、モメンタムは総務省デジタル広告ワーキンググループにおける調査を受託し、2025年1月に発表された「違法アップロードコンテンツと広告に関する実態調査」を支援しました。調査の結果、YouTubeやSNSにおける違法アップロードの実態が明らかにされました。具体的には、登録者数1.5万人以上のYouTubeチャンネルで、54件のチャンネルから合計5,745本の無断転載動画が確認され、再生回数は約17億回に上りました。
これによって、広告費の流出額は17億円と推測されています。
同調査では、主要なSNSでの違法コンテンツの状況も確認され、以下のようなデータが得られました:
- - TikTokでは6,193件の違法コンテンツが確認され、総再生回数は5億回を超えた
- - Facebookでは4,117件の違法コンテンツがあり、再生回数は1,400万回超
- - X(旧Twitter)でも2,469件の違法コンテンツが調査され、再生回数は1億3,000万回に達しました
これらの結果は、違法アップロードによる被害が深刻であることを示しています。
広告掲載の実態
さらに、調査の中で違法にアップロードされた民放コンテンツには、期間中に約460社が広告を表示していたことも分かりました。特に大手広告主52社の広告が、YouTube上の違法アップロードコンテンツとともに表示される事例が確認されています。FacebookやTikTok、Xでも同様の傾向が見られました。
Momentumの取り組み
Momentumは、独自のデータと日本語に特化した言語解析技術を駆使し、アドフラウド検知技術を基盤としています。国内の広告代理店や広告プラットフォームで広く利用されており、無価値な広告を排除することを目指して活動しています。公式ウェブサイトには、サービスや調査結果に関する詳細情報が掲載されていますので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。
Momentum公式ウェブサイト
結論
デジタル広告市場は著作権侵害やアドフラウドといった課題に直面していますが、Momentumの新たな取り組みにより、これらの問題に対する理解が進み、より健全な広告運用が実現されることが期待されます。