水素関連市場に革命をもたらす新技術
2023年2月19日、株式会社堀場製作所が新たに発表したCCM/MEA触媒塗布モニター「XV-100」が、注目を集めています。この装置は、水素エネルギーの重要性が高まる中、持続可能なエネルギーソリューションの一環として、水素生成や燃料電池技術に寄与するものです。
水素の必要性と「XV-100」の役割
近年、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、世界中で水素エネルギーが注目されています。水素は、再生可能エネルギーと組み合わさることで、クリーンなエネルギー源とされ、特にPEM型燃料電池と水電解装置はその中心的な技術として広がりを見せています。しかし、これらのシステムの性能向上には多くの課題が存在しており、高価な貴金属である白金(Pt)やイリジウム(Ir)の使用がその一因です。ここで「XV-100」の登場です。
この新しいモニターは、非破壊かつ非接触で貴金属の塗布量をインライン測定することが可能です。最短0.01秒の応答速度を誇り、塗布の適正量を管理することで、生産プロセスのコスト削減や製品品質の向上を実現します。
製品の特長
「XV-100」は、以下のような特徴を持っています。
1.
高速測定: 世界最速クラスの応答速度により、リアルタイムでのデータ取得が可能。これにより、塗布の均一性を厳格に監視することができます。
2.
柔軟なエンジニアリング: 顧客の生産ラインに応じた調整機能や、塗布量の合否判定機能を備えており、システム全体のデータを統合的に管理可能です。
3.
コンパクト設計: A4サイズの半分程度というコンパクトな設計により、限られたスペースでも容易に設置できます。これにより、生産ラインの干渉を最小限に抑え、メンテナンスの効率化も実現します。
開発の背景と目的
堀場製作所は、水素電池技術の進展に伴う市場ニーズに応えるため、蛍光X線技術を用いた新しい元素分析装置を開発しました。分析や計測の視点から、水素エネルギーの生産や利用に関する課題をクリアし、カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指しています。
2025年2月には東京ビッグサイトで開催される『H2 & FC EXPO ~水素・燃料電池展~』でもこの「XV-100」が展示予定とのことで、多くの注目が集まること必至です。今後の水素関連技術の未来を切り開く製品として期待されます。
堀場製作所は、この新しい技術を通じて、水素エネルギー利用の効率化に貢献し、より持続可能な社会を実現することを目指しています。