J.D. パワーによる2024年カスタマーセンターサポート満足度調査
近年、EC・通販業界は急速に拡大し、私たちの生活に欠かせない存在となっています。顧客からの期待も高まる中、株式会社J.D. パワー ジャパンが発表した2024年カスタマーセンターサポート満足度調査では、この業界における顧客満足の実態が明らかになりました。今回はその結果を分かりやすくまとめました。
調査の概要
この調査はEC・通販業界におけるカスタマーサポートの満足度を測るもので、今回で3回目の実施となっています。対象は「総合ECサイト」、「テレビ通販」、「カタログ通販」の3つの領域。具体的には「コールセンター」、「オペレーターによるチャットサポート」、「自動応答によるチャットサポート」、「メール問い合わせ」、「FAQページ」における満足度が検証されました。
コールセンター満足度の向上
全体的な満足度は前回調査からわずかに減少し696ポイントとされていますが、特に注目すべきはコールセンターの満足度が前年比で13ポイント増加した点です。これは、問題解決にかかる時間や、サービスの利用のしやすさが改善されていることを示しています。
企業の改善努力
調査対象の企業の中で、半数がコールセンターの満足度を向上させており、多くの企業が顧客サポートの質向上に取り組んでいる様子がうかがえます。2022年から続くこの流れは、顧客の信頼をより深める結果となるでしょう。
チャットサポートの課題
一方、オンラインサポートに関しては残念ながら満足度が低下しました。特に「オペレーターによるチャットサポート」では29ポイント減少し、多くの顧客が「高負担」と感じたと報告されています。これに対し、AIチャットボットも15ポイントの減少が見られました。
コミュニケーションの難しさ
有人チャット利用者からは、運営側の知識不足や明確な回答が得られないことが多く、サポートを受ける中での負担感が増加しています。こうした傾向はAIチャットボットにも見受けられ、利用者が感じるサービスの質が全体的に低下していることが問題です。
利用したいチャネルの選択
調査では、次回の問い合わせ時に信頼できる「コールセンター」を選びたい理由として「的確な回答が得られるから」との回答が47%を占めました。一方で、有人チャットは「手軽だから」という声が多く、AIチャットボットは「いつでも利用できるから」とされています。
今後の展望
有人チャットとAIチャットボットの利用率は今後も増加し続けると考えられていますが、これらのサービスの改善こそが顧客満足を高める鍵となります。そして、企業が顧客のニーズに応えられるような、より良いサポート体制の構築が求められるでしょう。
2024年の満足度ランキング
2024年の調査結果では、各分野の満足度ランキングも発表されました。特に、以下のような企業が総合満足度で高評価を獲得しています。
- 1位:ヨドバシ・ドット・コム (721ポイント)
- 2位:Amazon、楽天市場 (共に678ポイント)
- 1位:ジャパネットたかた (767ポイント)
- 2位:ショップジャパン (721ポイント)
- 1位:ベルメゾン (743ポイント)
- 2位:ベルーナ (735ポイント)
今後も顧客の声に耳を傾け、満足度を向上させる取り組みが期待されます。顧客との信頼関係が、企業の競争力を高める最も重要な要素となるでしょう。