新たな国民病「慢性腎臓病」とその治療法の新常識
日本において、慢性腎臓病(CKD)の患者数は約2,000万人に達すると言われています。この病気は自己認識が及びにくいため、患者自身が症状に気づかないまま進行してしまうことが多いです。特に末期腎不全に陥った場合、透析療法が不可欠になり、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。
現在、慢性腎臓病の治療は大きな転換点を迎えており、NHK出版から発売される『別冊NHKきょうの健康慢性腎臓病~食事と治療の新常識』では、最新の治療薬や新たな生活習慣の考え方について詳しく解説されています。この本の監修者である丸山彰一氏(名古屋大学大学院教授)は、エビデンスに基づく2023年版のCKD診療ガイドラインの改訂委員長を務め、信頼性の高い情報を提供しています。
1. 自分の腎機能を知ることの重要性
慢性腎臓病は多くの場合、自覚症状がなく、知らないうちに進行してしまう恐れがあります。そのため、まず健康診断を受けて、自分の腎機能を把握することが大切です。尿検査と血液検査を通じて、自分の腎機能の状態を確認し、CKDの進行を防ぐための対策を講じましょう。
2. 治療薬の進化と新常識
最近では、腎機能を保護する治療薬の数も増えており、例えば高血圧を抱える患者には血圧を下げる薬が、糖尿病患者にはSGLT2阻害薬が推奨されています。治療薬は原因となる病気へのアプローチと並行して、腎臓自体を守る作用も持ち合わせています。治療を進める中で「eGFRスロープ」を確認し、定期的に医師の診断を受けることが肝要です。
3. 食事療法の新常識
「腎臓病の食事」と聞くと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、実際にはおいしいレシピもたくさん存在します。この本では、減塩しつつも美味しく食べられるメニューが豊富に紹介されており、献立を自由に組み合わせる楽しさも教えてくれます。
また、エネルギーやたんぱく質の摂取にも注意を払いながら、楽しく続けられる食生活の工夫が解説されています。これにより、無理なく腎臓を守る方法が見つかるでしょう。
4. 生活習慣の見直し
食事以外にも、腎臓を守るための生活習慣の改善が求められます。毎日の水分摂取量、アルコールの量を調整し、定期的な運動を続けることが重要です。体重や血圧の測定を日常生活に組み込むことで、自己管理が可能になります。
5. もしもの時の選択肢
腎機能が30未満になった場合には、腎代替療法を考慮する必要があります。腎移植や透析療法など、選択肢を充分に理解し、医療機関と連携しながら適切な判断を行うことが求められます。
このように、慢性腎臓病についての新しい知識を得ることは、健康な生活を送る上で不可欠です。定期的な健康診断や食生活の見直しを通じて、腎臓の機能を維持し、合併症を避けるための準備を今すぐ始めましょう。