再生プラスチックの新たな幕開けと循環型社会の実現に向けた挑戦

再生プラスチックの新たな幕開け

最近、再生プラスチックの開発が注目されていますが、特に一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会（JBMIA）が行った取り組みが話題です。東京都港区に位置するこの団体は、樹脂コンパウンドメーカーと連携して、複写機やプリンタなどのOA機器に使えるポリスチレン（PS）の再生プラスチックを開発しました。これにより、業界全体のサステナビリティが一層強化されることが期待されています。

JBMIA再生プラスチックの概要

今回開発されたPS再生プラスチックは、OA機器や家電から回収したプラスチックを活用し、90％をハイブリッドPCR（使用済み製品由来の再生原料）から製造されています。さらに、安全性の規格であるUL94を取得しており、安心して使用できる素材です。この技術革新は、環境保護の観点からも重要な一歩といえます。

開発の背景

JBMIAは、2020年に「プラスチックマテリアルリサイクル検討準備委員会」を立ち上げ、世界的に強化されるプラスチック資源の循環についての活動を開始しました。この委員会を通じて、業界団体としての責任を果たし、また会員企業に対する事業貢献も目指しています。

当初、クローズドマテリアルリサイクルには様々な課題があり、実現が厳しいと判断されていました。しかし、OA機器から回収したプラスチックと異業種からの素材を融合させることで、これらの課題を克服し、ついに開発に成功しました。

サーキュラーエコノミーの実現

今回の再生プラスチックでの取り組みは、OA機器からOA機器への再利用や、家電からOA機器への再利用を促進することで、業界全体の循環型経済（CE）の実現に向けた大きな一歩です。JBMIAは、今後もこの流れを加速させるための取り組みを継続していきます。

課題とその解決策

再生プラスチックの品質向上や回収体制が整ってきたものの、各社の製品への導入にはいくつかの課題が残っています。具体的には、経済的なコストや製品評価の品質に関する問題です。これには、各社が遵法性を守りながら引き続き緊密に連携することが求められます。

今後の展開

現段階での再生プラスチックの対象はポリスチレンですが、今後は他のプラスチック素材にも対応を広げていく計画です。また、サステナブルな社会基盤の構築や、安心で安全なオフィス環境を目指した取り組みを強化する方針です。

JBMIAは、この再生プラスチックの開発を通じて、SDGsの目標12「つくる責任・つかう責任」にも貢献し、サーキュラーエコノミーの実現を目指しています。持続可能な未来に向けた取り組みは、これからも続いていきます。