花王が新たに構築した「ウォーターキャプチャリングスキン」技術
花王株式会社では、肌の保湿機能を根本的に革新する技術「ウォーターキャプチャリングスキン」を開発しました。この技術は、周囲の水分を引き寄せることで角層細胞の水分量を増加させ、より持続的な保湿を実現します。具体的には、花王独自の顕微ATR-IR法を用いてこの現象を確認しています。これにより、時間が経過するごとに肌の水分が増加することが明らかになり、従来の保湿製品とは一線を画す新たなスキンケアの可能性を秘めています。
乾燥肌の悩みとその背景
乾燥は多くの人々に共通する肌の悩みであり、特に季節の変わり目などには肌トラブルが増加します。これまでの保湿技術は主に水分を補い、保持することに焦点を当てていましたが、水分は時間と共に失われやすいため、多くの消費者が「化粧水を塗っても効果が持続しない」と不満を持つことも少なくありませんでした。花王はこの問題に着目し、角層細胞がどのように水分を維持できるかを研究し始めました。
NMFとその機能
肌の最外層である角層は、うるおいを維持しバリア機能を果たす重要な役割を担っています。ここで注目されるのが天然保湿因子(NMF)です。これまでの研究では、NMFは単一の物質ではなく、複数の物質の組み合わせから成っていることが分かっています。花王はこの特定の物質の組み合わせを見直し、保水効果を高めるための新たなアプローチを目指しました。特定の物質を混合し、静置した際に発生する強力な吸湿現象を利用することに成功しました。
実証実験の成果
花王はこの技術を実際に20~40代の日本人男女3名を対象にした実験で確認しました。被験者の前腕に水分を引き寄せる成分を含む水溶液を塗布した結果、塗布後の時間経過とともに、角層の水分量が増加することが確認されました。従来の製剤では水分量が降下する一方、ウォーターキャプチャリングスキンを用いた製剤では、持続的に水分が補給される様子が見て取れました。この成果から、角層が周囲の水分を引き寄せる可能性が示されています。
水分蒸散抑制の確認
さらに実施した試験では、水分蒸散量、いわゆるTEWL(経皮水分蒸散量)の測定も行われました。この測定結果によれば、技術あり水溶液は従来のバリア成分を含まないにもかかわらず、水分蒸散を効果的に抑制することができたのです。このことから、ウォーターキャプチャリングスキン技術は角層に水分を引き寄せ、内側の水分を保持する働きがあると考えられています。
新たな保湿アプローチ
花王は今回、新たな保湿技術として「ウォーターキャプチャリングスキン」を構築しました。従来の保湿アプローチとは異なり、この技術により肌の水分量が徐々に増加する可能性が期待されています。これにより、より長時間にわたってうるおいを実感できる未来のスキンケア製品の開発が促進されることでしょう。
今後も花王は、より高いうるおい実感を提供するスキンケア技術の研究開発に注力してまいります。新しい技術が化粧品の未来をどのように変えるのか、大いに期待が高まります。