福島県南相馬市で衛星データを用いた農業支援が始動

福島県南相馬市に本社を置くINCLUSIVE株式会社の子会社、LAND INSIGHT株式会社が、兵庫県丹波市のサグリ株式会社との業務連携を発表しました。この新たな取り組みは、衛星データを利用して農作物の作付け状況を見極めることに主眼を置いています。今回の共同プロジェクトでは、特に田畑の転作確認業務の負担を軽減し、行政作業を効率化することを目指しています。

農業の効率化を図る背景

これまで、日本各地で農作物の作付け状況を確認するには、現地調査や大量の事務作業が必要でした。しかし、農業に従事する人々の高齢化や担い手不足により、行政の職員の負担は増すばかりです。そのため、正確かつ迅速に業務を行うための新しい方法が必要とされています。

このような状況において、デジタル技術が重要な役割を果たすことが期待されています。AIや衛星データを駆使した判定手法を導入することで、行政の業務を効率化し、作業の正確性と透明性を向上させることができます。

業務連携の具体的な内容

この業務連携の第一歩として、南相馬市での転作確認業務において、衛星データ解析結果を可視化する実証を行います。この取り組みにより、LAND INSIGHTが行う衛星データ解析の結果を、サグリのAI農地判定アプリでリアルタイムに閲覧可能になります。市役所や農業団体の関係者は、Web上で解析結果を確認でき、現場での業務がスムーズに進展することが期待されています。

サグリ株式会社の代表取締役、坪井俊輔氏は、南相馬市での作付け調査への協業について非常に喜ばしく思っていると語っています。他方、LAND INSIGHT株式会社の副社長、遠藤嵩大氏も、現代の農業問題に対する解決案が全国的に求められている中、サグリとの連携がその一助となると期待を寄せています。

サグリ株式会社とLAND INSIGHT株式会社

サグリ株式会社は、持続可能な農業の実現を目指し、AIを駆使した衛星データの解析技術を用いて、様々なサービスを展開しています。特に、耕作放棄地を検出するアプリ「アクタバ」や、作物の種類を解析するアプリ「デタバ」など、農業に関する革新的なソリューションを提供しています。

一方、LAND INSIGHT株式会社は、衛星データを用いて地域の課題を解決することを目的に設立され、農業行政における現地調査の効率化を図るサービス「圃場DX」などを展開しています。

両社の連携は、単なる業務改善にとどまらず、今後の農業界におけるデジタル化がもたらす変化に大きく寄与するものと期待されています。南相馬市を起点に、全国の農業への波及効果も楽しみにしたいところです。

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