六甲高山植物園に舞い降りるアサギマダラ
神戸市、六甲山に位置する六甲高山植物園では、秋の訪れを告げる美しい蝶「アサギマダラ」が姿を現しました。この蝶は特に日本産の蝶として、季節の移り変わりとともに本州から南西諸島へと渡りを行うことで知られています。これまでのマーキング調査では、驚くことに1,500km以上の長距離移動の記録もあります。
アサギマダラの魅力
アサギマダラは、前翅の長さが40~60mmほどの可愛らしい蝶です。その名の由来である「アサギ」は、青緑色の古い表現で、薄水色の翅の色合いに由来しています。特にオスの後翅にある黒褐色の性標によって、オスとメスを区別することが可能です。主にキク科やガガイモ類の植物から蜜を吸うことで知られ、特に野生のフジバカマの蜜を好みます。例年では9月末まで見ることができ、多くの来園者がその優雅な飛翔を楽しんでいます。
フジバカマの保護と展示
六甲高山植物園では、アサギマダラの好むフジバカマにも力を入れています。この植物は秋の七草の一つであり、日本の秋を象徴する風物詩としても親しまれています。しかし、戦後の生育地の開発によりその数は減少し、現在では絶滅の危機に瀕しています。かつてこの六甲山にも自生していたフジバカマは、約40年前に採取した株を元に増殖しており、神戸薬科大学と協力して栽培・展示されています。
現在開催中のイベント
現在、六甲山では「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」という芸術祭が開催されています。自然の中に現代アートを融合させたこの祭りは16回目を迎え、今年のテーマは「環境への視座と思考」です。国内外で活躍する61組のアーティストによる作品が展示され、訪れる人々を楽しませています。
イベント詳細
- - 会期: 開催中〜11月30日(日)
- - 時間: 10:00〜17:00(営業日・時間は会場により異なる)
夜間イベント「ひかりの森~夜の芸術散歩~」
昼間とは異なり、幻想的な光のアート作品が六甲高山植物園を彩ります。このイベントは、10月中旬から11月中旬までの土日祝日限定で行われ、ライトアップされた木々の紅葉も楽しむことができます。夜のアート散歩を体験しながら、六甲の自然を感じてみるのはいかがでしょうか。
アクセス・料金
六甲高山植物園へのアクセスは便利で、入園料は大人900円、小人450円です。また、駐車料金は1,000円となります。ただし、荒天等によっては営業やイベントの内容が変更されることがありますので、訪れる際は事前に確認することをお勧めします。
六甲山は、自然とアートが調和する特別な場所です。今年の秋は、優雅なアサギマダラとともに、六甲高山植物園での素敵なひとときをお楽しみください。