SaaS市場の最新動向を徹底分析!
ファーストライト・キャピタル株式会社が発行した「SaaS Annual Report 2024-2025」では、日本におけるSaaS市場の現状と未来を詳しく分析しています。本レポートは、国内のSaaS企業の成長のメカニズムや投資動向を多角的に整理し、様々な視点からのデータを提供しています。
1. ARRの現状
日本のトップSaaS企業は年間経常収益(ARR)が400億円を超え、成長を続けている一方で、中位以下の企業との格差が広がっています。具体的には、ラクスやSansanなどの上位企業は、特に過去5年間で年平均成長率(CAGR)が25%を上回る成長を見せています。これにより、これらの企業は業界の先陣を切りながら、持続的な成長を果たしています。
2. マルチプルと株式市場の動向
2024年の国内SaaS企業の株価売上高倍率(PSR)は4倍から6倍の範囲で推移しています。2021年に比べると大幅に低下してはいるものの、投資家にとっては十分に魅力的な水準とされています。また、早い段階から黒字化を重視してきたラクスなどは、利益を着実に計上しており、PERも高評価を受けています。
3. IPOとM&Aの市場動向
2024年、国内SaaS企業のIPO件数は前年を大きく上回り、合計8件に達しました。しかし、規模感を考えると小型案件が多数占めています。今後は時価総額100億円基準の影響で、IPO件数の減少が懸念されます。M&Aに関しては、アスエネやアンドパッドなど、スタートアップが相次いで買収を発表しており、業界全体の活性化が伺えます。
4. スタートアップ資金調達の状況
スタートアップ投資の動向では、2024年のSaaS企業による資金調達総額が1357億円となり、前年から僅かに減少しました。しかし、SaaSの全体としての占有率は依然として約17.4%を維持しています。特に大規模な資金調達を行うシリアルアントレプレナーが現れる中、レイターステージに進む企業の増加が見られます。
5. バーティカルSaaSの広がり
エス・エム・エス(カイポケ)などは、介護業界向けにSaaSサービスを展開し、ARR100億円に到達しています。このように、特定のドメインで高シェアを有する企業は、高い利益率を維持し続けています。バーティカルSaaSの導入は多様な産業にも広がる期待が持たれており、今後の発展が待たれます。
6. AIスタートアップへの資金流入
AIスタートアップへの投資が加熱する中、日本は依然として取り残されている印象が否めません。世界的に見れば、AIスタートアップへの投資は約15兆円に達していますが、日本国内ではまだまだ市場が活性化していない現状があります。しかし、日本にはAIを活用して解決すべき多くの課題が残されており、スタートアップの重要性が増しています。
7. まとめ
ファーストライト・キャピタルのレポートは、日本のSaaS企業における成長の姿勢や投資環境の変化を明確に示しています。今後の市場動向を見極めるために、関係者はこの情報を活用していくべきでしょう。レポートは公式サイトからダウンロード可能ですので、ぜひ目を通してみてください。
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