男性の育休取得を変えていく
株式会社メディパルホールディングスとそのグループ企業が、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進する中で、男性の育児休業取得を促すための「育休研修」に関する大規模なランダム化比較試験(RCT)に参加したことが注目されています。国内の多くの父親が育児休業を取得しない理由として「職場の雰囲気」が挙げられる中、同社は職場の意識を変えるために積極的な行動をとっています。その結果が、東京大学大学院経済学研究科附属政策評価研究教育センター(CREPE)から発表されました。
研修の参画背景
男性の育児休業取得は、制度としては整っているものの、実際に利用する父親はまだまだ少ないのが現状です。多くの男性が「職場の雰囲気」を理由に育休を取得しないという分析から、メディパルグループは「行動を変えるためにはどうしたら良いか」をテーマにした実証実験に参加しました。実際には、1,000名以上の男性従業員がこの試験に登録し、彼らの意識や行動の変化が期待されました。
RCTの詳細
この研究は、東京大学、同志社大学、筑波大学、そして一般社団法人EVIDENCE STUDIOが共同で実施しました。参加者は日本国内の2社の民間企業と2つの地方自治体から集められ、計1,200名以上の男性従業員が対象です。80の職場は無作為に2つのグループに分けられ、各グループには2時間の「育休研修」が提供されました。
研修がもたらした変化
結果として、育休研修を受けた父親の週末の育児時間は、平均して1日あたり約1時間(16%)増加しました。特に、5歳以下の幼い子どもを持つ家庭では、育児時間が2.3時間も増えるという結果が得られました。このことは、男性の育児参加が進んだことを示しています。
また、研修を受けた父親の影響は母親にも及び、労働時間は週に3.6時間(18%)も増え、同時に家事の時間は減少しました。これは、父親の意識や行動の変化が、家庭内の役割分担を見直すきっかけになったものと推測されます。
さらに、参加者の中で育児休業制度を自ら調査する割合は16ポイント増加しました。これは、研修が個々人の行動変容を促進する効果を持っていたことを示しています。
情報提供の限界
興味深いことに、同僚の86%が男性の育休に賛成している一方で、当該従業員は周囲の賛成は「54%程度」と誤解していたことが判明しました。情報提供をするだけでは行動が変わらないことが証明され、組織が公式に後押しする研修のような包括的アプローチが不可欠であることが示されました。
持続可能な取り組み
メディパルグループでは、男性の育児休業取得を促進するための多角的なアプローチを実施しています。育児休業を取得した男性従業員とその上司のインタビュー記事を社内で配信し、リアルな声を共有することで職場全体の意識改革を図っています。また、2025年度には、育児休業を取得した男性マーケティングスペシャリストによる座談会を企画・記事化し、社内に広めるなどの試みも行っています。
これにより、メディパルグループの男性従業員における育児休業取得率は、2024年度の58.9%から2025年度には74.7%を目指しています。D&Iの推進を重要課題とし、2030年度までに男性において育児休業取得率100%を目指すことを掲げている同社は、今後も仕事と育児の両立を実現する文化の定着に向けて努力を続ける所存です。
結論
以上のように、メディパルグループが行った育休研修を通じて得られた知見は、今後のダイバーシティ推進に大きな影響を与えることが期待されます。育児と仕事を両立させるための環境づくりは、今後の企業に求められる重要な課題となるでしょう。持続可能な社会の実現に向けたメディパルグループの取り組みは、今後も注目されます。