馬とのふれあいで育む新しい不登校支援プログラムを実施

不登校が抱える課題とホースセラピーの可能性

近年、日本の教育現場において不登校の問題が深刻化しています。特に心のケアやコミュニケーション能力の向上が求められる中、新たな支援方法として注目を集めているのがホースセラピーです。このプログラムでは、馬とのふれあいを通じて、心の安定や自己肯定感の向上を目指します。

ホースセラピーの基本とアプローチ

ホースセラピーは、馬との接点を持つことで得られる癒しの効果を基にした教育プログラムです。具体的には、以下のような活動が含まれます：

- 乗馬（セラピューティック・ライディング）: 乗馬を通じて身体の感覚やバランスを養い、心の安定を図ります。
- 馬の世話: 馬のブラッシングや餌やり、厩舎の清掃など、日常的な世話を通じて責任感や愛情を育みます。
- 馬とのコミュニケーション: 言葉による意思疎通が難しい子供たちでも、馬との非言語的な交流を通じて自己表現や感情の発露が促進されます。

進路の選択肢とコース設立の背景

当プログラムのコースは、生徒が将来選択するさまざまな進路についても考慮しています。実際に得られる資格を取得することで、職業選択の幅を広げることができます。このような取り組みの背景には、増加するストレスやコミュニケーションの不足があると考えられます。

私たちは、馬との交流がどれほどの癒しをもたらすのかに注目し、この教育プログラムを創設しました。生徒は、馬との関わりを通じて心の安定を求めるだけでなく、動物についての基礎知識も深めることができるため、一石二鳥の効果が期待されます。

御崎馬と共に歩む新たな教育

宮崎県串間市に生息する、天然記念物の御崎馬（みさきうま）を本校のプログラムに取り入れています。この馬は小柄で性格も穏やかで、子供たちとのふれあいには最適と言えます。在来馬である御崎馬が学校で活躍することにより、馬の保護と活用という新たな試みも実現しました。

自信を取り戻すために

このホースセラピーの導入は、生徒の心の成長を促進するだけではなく、地域の文化や福祉を融合させた教育の形を生み出しています。えびの市の自然環境を最大限に活用し、教育を通じて自己肯定感を育むことを目指しています。

教育の新たな形として、ホースセラピーは単なる福祉や癒しの手段に留まらず、生徒一人ひとりが自信を持ち、社会に出ていく力を育てる重要な役割を果たしています。今後も、このプログラムにより多くの子供たちが心の成長を実感できることを期待しています。