宮崎県山間部の猫救済プロジェクト、閉幕へ
宮崎県の山間部において、犬や猫の殺処分ゼロを目指す公益財団法人どうぶつ基金によるプロジェクトが、ついにその幕を下ろします。2015年4月から11月までの期間に渡り、高千穂町、五ヶ瀬町、日之影町の3自治体と協働で「宮崎県山間部TNR地域集中プロジェクト」を実施してきました。このプロジェクトは、移動診療車を使用して地域の猫たちに無料で不妊手術を提供するもので、特に飼い主のいない猫が多く、周辺に専門クリニックが存在しない地域において、大いなる意義を持っていました。
このプロジェクトの一環である「どうぶつ基金病院西臼杵」は、11月13日をもって閉院となります。最終診療日には閉院式が行われ、これまでの活動の成果と関係者への感謝が表明される予定です。この特別な日が、どのような意味を持つのか、多くの方々により深く理解していただけることが願われています。
猫のための取り組み
「宮崎県山間部TNR地域集中プロジェクト」では、不妊手術がこれまでに645頭の猫に施されました。手術の実績を振り返ると、たとえば2025年4月には123頭、5月には同じく123頭、6月には126頭、7月には144頭、そして9月には129頭と、毎月着実に数字が上がっていきました。不妊手術を待っていた多くの猫が、手術の成果を得て、新しい生活を送ることが期待されています。
TNR(Trap-Neuter-Return)という手法は、捕獲して不妊手術を行い、元の場所に戻すという方法で、野良猫の数を人道的に減らすことができ、世界中で多くの支持を得ています。今回のプロジェクトでは、高齢化や過疎化が進む地域において、この手法が特に必要とされていることが強調されました。
閉院式の詳細
閉院式は11月13日14時から、高千穂町の田原出張所小会議室にて開催されます。出席者にはどうぶつ基金の理事長や、地域自治体の代表者が名を連ね、これまでの取り組みを振り返るとともに今後の展望についても語られることが期待されます。式次第には、挨拶や感謝状の贈呈、集合写真の撮影が盛り込まれており、地域とどうぶつ基金の関わりを再確認する良い機会となるでしょう。
地域との協働の大切さ
「どうぶつ基金」は1988年に横浜に設立された動物愛護団体です。活動資金はすべて民間からの寄付によって成り立っており、「さくらねこTNR」や多頭飼育崩壊の犬・猫の手術支援など、多岐にわたって活動しています。今回のプロジェクトもその一環であり、地域の猫たちの未来を支える重要な施策でした。
この活動を通じて、ご支援をいただいたすべての方々に感謝し、更には地域との協働の重要性を再認識する機会となることを願っています。