日本の地熱発電を進化させる新たな提携が発表されました

日本の地熱発電を進化させる新たな提携

2025年9月2日、スウェーデン・ストックホルムに拠点を置くベースロードキャピタルが、日本の地熱発電開発・運営会社であるふるさと熱電株式会社への戦略的投資を発表しました。この提携は、持続可能なエネルギーの開発に向けた一歩として、特に日本の地熱資源の活用を強化するものです。

地熱開発の新たな可能性

日本の地熱発電ポテンシャルは、推定で23GWと世界第3位を誇りながら、現在の実績はわずか0.576GWに過ぎません。政府は2030年までに1.5GWの地熱供給を目指し、地熱開発を加速する計画を立案しています。このことは、地熱エネルギーに大きな開拓余地があることを示しています。

地熱エネルギーの利点としては、安定した供給が可能であり、設置面積が小さいため、山岳地が多い日本の特性的にも非常に適した電源と言えます。加えて、日本はエネルギー輸入依存度が高く、今後の電力需要の増大が見込まれる中、地熱は重要な役割を果たすと考えられています。

地域と共生する地熱の道

ふるさと熱電は、温泉文化が根付く日本でも、地域との共生に重点を置いた地熱開発モデルを構築しています。特に、熊本県阿蘇郡小国町で進められている「わいたモデル」は、地域住民の利益を守りながら持続可能な開発を実現するもので、その成功が今後の地熱発電事業の足がかりとなることが期待されています。

このモデルでは、ふるさと熱電と住民が対立するのではなく、協力し合いながら共に成長していく姿勢が大きな特長です。2015年には「わいた第1地熱発電所」が商業運転を開始し、さらには「わいた第2地熱発電所」が2026年に運転開始の見込みです。

ベースロードキャピタルの役割

ベースロードキャピタルは、グローバルな投資ポートフォリオを活かし、地域固有の特性を尊重した地熱発電事業の拡大に寄与します。代表取締役のアレクサンダー・ヘリング氏は、地域に根ざした地熱開発の有効性を証明するふるさと熱電と共に持続可能なエネルギー開発モデルを進めていくことを誇りに思っています。

ふるさと熱電もまた、この投資を通じて、経済基盤を強化し、日本のエネルギー転換に大きく貢献することを期待しています。代表の赤石和幸氏は、ベースロードキャピタルとの信頼関係が長期パートナーシップへと発展していることを強調しています。

地熱エネルギーの未来

両社の提携によってもたらされる地域共生型の地熱開発は、日本国内のみならずグローバルにも通用するモデルを確立することを目指しています。地域に根差しつつ、持続可能なエネルギー開発の実現は、今後のエネルギー問題に対する大きな解決策となるでしょう。地域と共に歩む地熱発電の未来は、日本のエネルギー戦略に新たな光をもたらすことでしょう。
この取り組みは、日本が直面する多くのエネルギー課題を解決する鍵となることが期待されています。