ユーグレナ社、マレーシアのバイオ燃料プラントに出資
株式会社ユーグレナは、マレーシアのバイオ燃料製造プロジェクトにおいて、出資比率を15%に引き上げたことを発表しました。このプロジェクトは、マレーシアに本社を置くPETRONASの子会社と、イタリアのEniの子会社との共同事業で、持続可能な航空燃料(SAF)や次世代バイオディーゼル燃料(HVO)などを製造する商業規模のプラントを建設・運営します。
ユーグレナ社は、このプラントで年間約10万KLのバイオ燃料を取り扱う見込みであり、2028年には稼働を開始する予定です。この出資により、ユーグレナ社はバイオ燃料事業の商業化に向けた重要なマイルストーンを達成しました。具体的には、日本国内でのSAF需要を2030年から170万KLに達成することや、バイオ燃料の普及による脱炭素化の実現を目指しています。
プラントの設計と生産能力
本プラントは、アジア最大規模の製油所Complexに位置し、年間65万トンの原料処理能力を持ち、最大1万2,500バレル(年間約72.5万KL相当)のバイオ燃料を製造できる見込みです。このプラントでは、使用済み植物油や動物性油脂などの廃棄物を原料として活用し、将来的には微細藻類由来の藻油を取り入れることを計画しています。
サステナビリティへの取り組み
出雲社長は、「持続可能なエネルギーの未来を、日本から世界へ」とのビジョンを掲げており、今回の出資が日本のSAF需要に対する準備を整える機会であると強調しています。今年度中に原料調達パートナーをアジアで拡大し、バイオ燃料の供給チェーンを確立することを目指しています。また、藻油の開発にも取り組んでおり、高コストな現状を打破するために技術革新を進めています。具体的には、微細藻類の商業生産に向けた研究開発を加速しており、2024年にはマレーシアの研究機関と共同で新たな技術を案内する契約を結びました。
今後の展望
ユーグレナ社は、2028年のプラント稼働に向け、サプライチェーン構築に全力を尽くします。また、世界的に拡大しているバイオ燃料市場に応えるため、マレーシアでのプロジェクトを弾みにさらなる成長を目指しています。出雲社長は、サステナブルな未来の実現に向け、さらなる支援を呼びかけています。
このような市場動向を背景に、ユーグレナは今後も成長を続け、持続可能な社会の実現に寄与していくことを目指します。