ユネスコ視聴覚遺産の日記念特別イベント「発掘された映画たち」
国立映画アーカイブにおいて、10月4日(土)に「ユネスコ『世界視聴覚遺産の日』記念特別イベント」を開催します。このイベントでは、当館に寄贈された小宮登美次郎コレクションから未上映作品を含む無声映画を上映し、その魅力を紹介します。
小宮登美次郎コレクションについて
1990年度に寄贈されたこのコレクションは、ヨーロッパの無声映画を中心に構成されています。中でも『さらば青春』や『除夜の悲劇』といった作品は、世界で唯一現存する貴重なプリントであり、映画文化の貴重な遺産です。これまで62作品が公開され、世界各国で上映されてきましたが、今回のイベントは、未上映作品を新たに発掘し、多くの人々にその魅力を伝えます。
上映プログラム
今回の上映会では、2つのプログラムが用意されています。Aプログラムでは、世界初公開となる作品を含む8本が上映され、Bプログラムではイタリアの映画祭での上映作品から新たに厳選された8本の作品が紹介されます。いずれのプログラムも日本での初上映となり、貴重な機会です。
また、特に注目すべきは、世界で唯一の現存または最良であるとされる35mmプリントが10本も含まれている点です。これにより、映画史の重要な部分を直に観ることができる貴重な体験が得られます。
無声映画のスターたち
映画上映に関して、無声映画史に名を刻む監督や俳優の作品も紹介されます。フランス代表としてミシェル・カレやジェラール・ブールジョワ、イタリアからはマリオ・カゼリーニやアウグスト・ジェニーナ、ドイツからはハリー・ピールといった著名な人物たちの作品が決まっています。彼らの作品は、文献では味わうことができない、映像としてのインパクトを持ちます。
映画技術の楽しみ
上映される16作品のうち14本は、当時のフィルム技術を駆使した色彩効果が施されており、染色や調色を楽しむことができます。これは、映画技術の発展を肌で感じられる貴重な機会とも言えるでしょう。さらに、トリック映画や喜劇、活劇、人間ドラマなど多様なジャンルの作品が日本語字幕付きで上映されます。
観賞を通じた映画保存の重要性
このイベントでは、現存プリントを基にした不完全な作品も上映されるため、映画保存の意義や重要性を考える機会にもなります。運が良ければ、名作の一端に触れ、その魅力を体感することができるかもしれません。
開催概要
- - イベント名: ユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念特別イベント「発掘された映画たち―小宮登美次郎コレクションPART 2」
- - 日時: 2025年10月4日(土)
- Aプログラム: 13:00-15:00
- Bプログラム: 16:30-18:30
- - 会場: 国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU
- - 料金: 一般1,050円、高校・大学生・65歳以上840円、小・中学生600円など
- - 定員: 299席
- - 主催: 国立映画アーカイブ
- - 問い合わせ: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
この特別なイベントを通じて、映画を愛するすべての人に、貴重な映像文化を体験していただければ幸いです。