IHIとシンガポール科学技術研究庁が持続可能な航空燃料(SAF)の商用化を加速
2023年、IHIとシンガポール科学技術研究庁(A
STAR)傘下のISCE2が、CO₂を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)の商用化に向けての覚書(MoU)を締結しました。これにより、両社はSAFの研究開発をさらに進め、早期の商用化を実現するための新たなステップを踏み出しました。
共同研究の成果
IHIとISCE2は、2022年度からSAF合成技術に関する共同研究を行ってきました。このプロジェクトでは、世界トップレベルの性能を誇る新しい触媒の開発に成功し、その触媒を用いた製造プロセスの検証に向けた試験装置も設置しています。この技術の確立は、SAFの製造効率や環境負荷の低減を大いに期待されます。
MoUの意義
このMoU締結により、両社は以下の重要な取り組みを始めます。
1. SAF製造プラントのスケールアップを目指す。
2. 製造したSAFのASTM認証を迅速に取得する。
3. アジア・太平洋地域における新たなパートナーシップや事業機会を探る。
特に、ASTM認証が取得されることで、SAFをジェット燃料として利用可能になります。航空業界においてカーボンニュートラルの実現を目指していることが、今後の取り組みに対する期待を高めています。
IHIの取り組み
IHIは、ASTARとの協力を推進し、持続可能な航空燃料の商用化を実現に向けて邁進していきます。IHIは、低炭素技術やグリーン製造プロセスの研究開発を通じて、航空業界の持続可能性向上に寄与していく意向です。
また、IHIの持つ産業界での経験や技術力は、SAFの商用化の加速にとって重要な要素となるでしょう。
未来を見据えた技術開発
持続可能な航空燃料(SAF)は、従来の航空燃料に比べて大幅にCO₂排出量を削減できることから、航空業界では今後ますます重要な役割を果たすと考えられています。IHIとISCE2の取り組みは、SAFの普及促進だけでなく、他の地区や国々との国際的なコラボレーションを通じても、航空産業全体の環境負荷軽減に寄与することが期待されます。
持続可能な航空燃料の商用化は、航空会社や製造業者の負担を軽くし、業界全体で持続可能性を高めるための一歩となるでしょう。 これによって、次世代の航空機のエコ性能が向上し、業界全体のイメージを改善することに繋がると強く期待されています。
結論
IHIとISCE2の連携は、持続可能な航空燃料(SAF)の商用化に向けた新たな一歩となり、世界の航空業界が直面する環境問題への対策に大きく貢献することが期待されます。これからの進展に目が離せません。