中小企業のDX化が進む中、業務効率化が重要な課題に
中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の現状に関する新たな調査結果が発表されました。フォーバル GDXリサーチ研究所が実施した「第4回 中小企業のDX推進実態調査」では、全国の中小企業経営者を対象に、DXに対する取り組みやその目的、成果について詳しく分析されました。調査結果から、中小企業におけるDX化の主要な目的は「業務効率の向上」であることが明らかになりました。
DX推進の背景
調査によると、84.4%の経営者が「業務効率の向上を図るため」にDXに取り組んでいると回答しています。現場の業務を効率的に運営することが、限られた人材やリソースを有効活用するための第一歩であると認識しているようです。また、39.2%の回答者は「コストを削減するため」という目的も挙げており、短期的な利益確保が中小企業にとっての大きな課題であることがうかがえます。
DXの成果と浸透度
実際にDXに取り組んでいる企業の中で、実際に「とても効果が出ている」と感じているのは全体の10%、一方で「やや効果が出ている」とする回答が66.2%であり、合わせて7割以上が何らかの効果を実感していることが分かりました。この結果は中小企業がDXを積極的に推し進める中で、具体的な成果を感じる一方で、まだ多くの課題が残っていることも示しています。
データの活用と人材に関する課題
加えて、自社の経営情報のデータ化についても調査が行われました。営業成績や財務データなど、約40%から50%の企業がこれらの情報をデータ化できていると答えましたが、人材に関する情報のデータ化はまだ10%程度にとどまっています。これは、今後のDXの進展において、人材の見える化やスキルの把握が重要であることを示しています。
中小企業の未来に向けて
フォーバル GDXリサーチ研究所の所長である平良学氏は、今後中小企業は「攻めのDX」へと進化することが重要であると強調しています。業務効率化やコスト削減から一歩進み、データを活用して新たな価値を生み出すことで、競争力を高める必要があります。
結論
DXは中小企業にとって避けて通れない課題であり、その成功には現場からの着実な取り組みが求められます。企業は、外部の専門機関との連携を図り、協力しながら一層の進展を果たしていく必要があります。今後、業務効率やコスト削減にとどまらず、総合的な成長へとつなげていくための取り組みが期待されます。