「革」「レザー」の定義がついにJISで制定! 動物由来以外を名乗ることは禁止に
近年、植物由来や石油由来の素材などが「○○革」「○○レザー」と銘打って商品化されるケースが増加し、消費者が本物の革製品と誤認して購入してしまう事態が発生していました。
イタリア、フランス、スペイン、ドイツなど、海外ではすでに「革(レザー)は動物由来のものに限定する」と法律で定められています。
このような状況を受け、日本でもついに、ISO規格の用語“Leather(レザー、革)”を基にしたJISが制定され、「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来のものに限定されるようになりました。
具体的に何が変わったのか?
今回のJIS制定により、以下のような変化が起こります。
1.
アップル、キノコ、サボテンなどから作られた素材を「○○革」「○○レザー」と呼ぶことはできなくなりました。 商品名などに使用することもできません。
2.
「シンセティックレザー」「フェイクレザー」「PUレザー」「ビニールレザー」などの名称を使用することは可能です。 しかし、JISで規定した以外の商品の名称に「レザー」「革」「スエード(スウエード)」「ベロア」「ヌバック」を用いることはできなくなりました。
3.
革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材は「ボンデッドレザー」「リサイクルレザー」「再生革」などと表記することは誤りです。 「皮革繊維再生複合材」と呼ぶ必要があり、「ボンデッドレザーファイバ」「レザーファイバボード」という名称も使用できます。
4.
不織布や特殊不織布、合成樹脂などを使って革の見た目に似せたものは「合成皮革」「人工皮革」と表記しなければいけません。
5.
「エコレザー」については、環境に配慮して製造される革・レザーであると規定されました。 植物由来の素材や、革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材などを「エコレザー」と呼ぶことはできません。
消費者のメリット
今回のJIS制定により、消費者はより安心して本物の革製品を選ぶことができるようになりました。
これまで、様々な素材が「革」「レザー」と名乗っていたため、消費者は素材の真偽を判断することが難しく、偽物と知らずに購入してしまうケースもありました。しかし、今回のJIS制定によって、動物由来の革製品だけが「革」「レザー」と名乗ることができ、消費者は安心して本物の革製品を選ぶことができるようになります。
今後の展開
今回のJIS制定は、革製品業界にとって大きな転換期と言えるでしょう。
今後、消費者の革製品に対する理解が深まり、革製品の価値がより一層高まることが期待されます。また、革製品業界全体が、より環境に配慮した製品作りを進めていくことが求められるでしょう。
説明会開催のお知らせ
一般社団法人 日本皮革産業連合会では、今回のJIS制定と日本エコレザーの認定制度の改訂について、説明会を開催します。
会場での参加、オンライン参加ともに、下記URLよりお申込みください。
申込みURL:
https://www.jlia.or.jp/index.php?pg=event.detail&get=2185
申込締切:
東京: 2024年7月17日(水)
大阪: 2024年7月22日(月)
ぜひご参加ください。