アークス、プレシリーズAラウンドで約8億円を調達
東京都渋谷区に本社を構える株式会社アークスは、2025年1月17日にプレシリーズAラウンドの最初のクローズを行い、約5.3億円を調達しました。その後、約2.7億円を追加で調達し、総額約8.0億円でこのラウンドを終了しました。関与している投資者には、HIRAC FUNDをはじめ、国立研究開発法人科学技術振興機構、あすかイノベーション投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタル、未来創造投資事業有限責任組合が名を連ねています。この資金の調達により、アークスは累計で約12.3億円を調達したことになります。
資金調達の目的
アークスは、これまで生殖補助医療分野の課題解決に向けた研究開発を行ってきました。その中で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構や厚生労働省の助成金を積極的に活用しながら、社会への実装を進めてきました。このたび調達された資金は、引き続き研究開発や臨床研究に加え、国内外での社会実装や組織の拡張に必要な人材の採用に使われる計画です。
生殖補助医療の重要性
生殖補助医療は、体外受精や顕微授精を含む不妊治療の一環として、高度な技術が要求されます。出生年齢が高齢化する先進国において、その需要が急増していることは明白です。2022年には、日本の子どもの約10人に1人が生殖補助医療を通じて生まれています。これらの医療は、自然妊娠が困難な夫婦にとって、希望の光となる存在です。しかし、そのプロセスを支える医療機関は、治療の質を維持し、成功率を高めるために多くの課題に直面しています。
アークスの挑戦
アークスは、不妊治療の質を向上させ、誰もが安心して治療を受けられる社会を作るための取り組みを続けています。特に、AIやロボット技術を駆使し、胚培養士の負担を軽減しながら、治療の成功率を高めるための新しいプロダクトの開発を進めています。この取り組みは、地域格差の解消にも寄与し、安全で質の高い不妊治療の提供を実現することを目指しています。
採用活動
アークスでは、今後の研究の強化に向けて、事業開発や海外薬事、研究者やエンジニア、バックオフィスの人材を募集中です。関心のある方は、Eメールでの問い合わせを歓迎しています。
投資家からのコメント
今回の資金調達に際して、複数の投資家からコメントが寄せられました。
- - マネーフォワードベンチャーパートナーズからは、アークスの独自のアプローチと社会への影響力に期待を寄せられています。
- - 科学技術振興機構では、胚培養士の人手不足の問題に直面している中で、アークスの技術がその課題を解決する可能性に興奮しています。
- - あすか製薬からは、不妊に悩む多くの患者にとって希望となる技術としてアークスの取り組みが期待されています。
- - 三菱UFJキャピタルは、アークスの挑戦を支えるためにネットワークを活用すると述べています。
代表者のビジョン
株式会社アークスの代表取締役、棚瀬将康氏は、今回の資金調達が新たなパートナーシップとともに、研究開発や臨床研究の向上に寄与することを強調しました。生殖補助医療の自動化に向けて、成功率の向上と医療従事者の負担軽減を同時に進め、「誰もが安心して治療を受けられる未来」を目指して、努力を続けることを宣言しました。
今後、アークスがどのように進化し、私たちの社会に寄与していくのか、その動向に注目が集まります。