2025年4月18日、島根県立大学浜田キャンパスで行われたレクチャーコンサートが注目を集めました。主催者は国際関係学部国際コミュニケーションコースで、アメリカ先住民音楽のコミュニケーション機能について深い知見を提供するイベントです。このレクチャーには同大学の学生や教員が参加し、音楽を通して多様なコミュニケーションの可能性を探りました。
特別に招かれたのは、ネイティブアメリカンフルートの奏者であり作曲家でもある森山修氏です。彼は、29年間のアメリカでの生活を通じて、アリゾナ州やニューメキシコ州を旅し、その際に出会った風景や文化を体験談として語りました。森山氏は、「アメリカ先住民は自然の一部として生かされている感謝の気持ちを音楽を通して表現しています」と話しました。それに続いて、彼が撮影した写真をスクリーンに映し出し、聴衆は赤土の大地や日干し煉瓦の住居群といった、先住民族の背景を想像しやすく繋げました。
音楽の演奏も行われ、彼が選曲したYouTubeチャンネルの曲は、命の鼓動を感じるドラムのリズムや、赤ちゃんの無邪気な泣き声、暖かなフルートの音色が響き渡りました。これによりレクチャーを受ける学生たちは、心地良い音楽の中で癒しの時を過ごしました。特に、森山氏が演奏したナイロン弦ギターのオリジナル曲は、参加者に大きな感動をもたらしました。
国際コミュニケーションコースの学生たちからは、感想が続々と寄せられました。2年生の今村百花さんは、「この音楽を初めて聴いたのに、まるで昔から知っているような懐かしさを感じました」と語り、音楽の不思議な力に触れました。また、1年生の清水彩加さんは「生の音楽の力を実感し、音は心に直接響くものだと改めて思いました」と、その印象を述べました。
このレクチャーコンサートを中心となって企画した江口真理子教授は、言語コミュニケーションの重要性を語りつつも、非言語コミュニケーションの重要性にも触れました。「コミュニケーションは、多くの場合、音や感情を通じて行われます。本イベントを通じて、学生たちに音楽というメディアの力を理解してもらえたことを嬉しく思います。彼らが多様な手段を使って、より良い社会を築いていくことを期待しています」と彼女はコメントしました。
森山氏の音楽とそのメッセージは、参加者の心に深く残ったことでしょう。このような素晴らしいイベントは、今後も続けていくべき取り組みです。アメリカ先住民音楽の魅力だけでなく、音楽が持つコミュニケーションの力を再認識する貴重な機会となりました。