細胞培養で未来の水産資源を守る！Umami Bioworksとマルハニチロの協業で実現へ

細胞培養技術で水産資源問題の解決を目指す！Umami Bioworksとマルハニチロの協業

世界的な水産資源の減少と、日本の低い水産物自給率は喫緊の課題です。この問題に対し、細胞培養技術を用いた細胞性水産物が注目を集めています。シンガポールに拠点を置くバイオテクノロジー企業Umami Bioworks社と、日本の大手水産会社マルハニチロ株式会社は、この細胞性水産物の研究開発と商業化に向けた協業契約を締結しました。

持続可能な水産物生産への挑戦

過剰漁獲や海洋汚染により、水産資源は枯渇の危機に瀕しています。日本の漁業生産量は減少傾向にあり、食料安全保障の観点からも、新たな水産物生産方法の確立が急務です。Umami Bioworks社は、先進的な細胞培養技術を用いて、環境負荷の少ない持続可能な水産物の生産を目指しています。

マルハニチロ株式会社は、日本の水産業界をリードする企業として、この技術にいち早く着目。Umami Bioworks社への投資を通して、細胞性水産物分野におけるリーダーシップの確立を目指しています。両社の協業は、日本の水産業界の未来を大きく変える可能性を秘めています。

協業の具体的な取り組み

初期段階では、マルハニチロ株式会社の協力の下、Umami Bioworks社の細胞性水産物開発の加速化を目指します。具体的には、多角的な研究協力を通して、細胞性水産物の商業化に向けた技術開発を推進します。将来的には、スケーラブルで持続可能な水産物生産システムの最適化、特に世界的に重要な魚種の開発にも取り組む予定です。

日本市場への展開と展望

Umami Bioworks社は、日本市場への細胞性水産物の生産パイプライン確立を目指しています。マルハニチロ株式会社との協業を通して、日本国内での細胞培養基盤を構築することで、安定した地産地消を実現し、消費者のニーズに応える製品開発を進めていきます。また、日本市場への進出を足掛かりに、Umami Bioworks社の技術とノウハウを世界へと展開していく計画です。

Umami Bioworks社の取り組み

Umami Bioworks社は、革新的な技術と高い専門性を有するバイオテクノロジー企業です。独自の細胞培養技術と自動化システムを組み合わせることで、環境に優しく、コスト効率の高い細胞性水産物の生産を実現します。

これまでに、プレシードラウンドで多額の資金調達を達成し、イスラエルのMeaTech社との共同研究開発も進めてきました。2023年8月には社名をUmami MeatsからUmami Bioworksへと変更し、更なる事業拡大を目指しています。

Umami Bioworks CEOのコメント

Umami Bioworks社の創設者兼CEOであるミヒア・パーシャド氏は、マルハニチロとの協業について、「成長する世界人口への食糧供給と環境負荷軽減の両立という課題に対し、マルハニチロとのパートナーシップは不可欠です。私たちは技術を持ち、マルハニチロはそれを製造し、消費者に届ける力を持っています。この協力関係を通して、より良い未来を創造できると確信しています」とコメントしています。