障がい者就労支援の新たな芽
埼玉県ふじみ野市に位置する合同会社ライオンズファームが運営する「ふじみ野まーさん弁当」は、障がい者就労支援A型事業所として、クラウドファンディングを通じて事業の継続を目指しています。代表の三輪昌史氏(愛称:まーさん)は、コロナ禍において居酒屋業から福祉の世界に足を踏み入れ、障がいを持つ方々が働く喜びを体現するための取り組みを進めています。
代表の経歴と事業への転身
三輪氏は、東京都国立市で23年間居酒屋を経営してきました。彼は、小規模な店舗で多くの若者を育成し、彼らの成長を見守ることに大きな喜びを感じてきました。しかし、コロナによる影響で飲食業界が変わり、彼は「人が生きるために働くことがどういう意味を持つのか」という問いを立て直しました。そこで知ったのが、障がい者支援の世界でした。
「ふじみ野まーさん弁当」の特色
「ふじみ野まーさん弁当」では、以下のような独自の取り組みを行っています。管理栄養士による栄養バランスの良い弁当を製造し、メニュー数は1,000以上。7品のおかずと40種類以上の食材を使用し、新鮮で健康的な食事を提供します。また、地域密着型のデリバリーサービスを展開し、ふじみ野市・三芳町内への配達料は無料です。さらに、彼らは「ありがとう=お金」という価値観を教育し、ますます多くの人々が社会復帰できるようサポートしています。
直面する社会課題とその解決策
現在、多くの障がい者が就労の機会に恵まれず、経営が困難な状況にあります。原材料費や人件費が高騰する中、三輪氏は、地域に根ざしたお弁当事業を通じて、安定した就労機会を提供することを目指しています。個別支援計画に基づく段階的なサポートを行い、クラウドファンディングを活用して活動の認知度向上と資金調達に努めています。
利用者の成長事例
開所以来、多くの利用者が周囲とのコミュニケーション能力を向上させ、自信を持って働く姿が見られます。初めは声さえ出せなかった利用者が「配達が楽しい!」と笑顔で業務に取り組むようになり、引きこもりがちだった方も積極的に他者と関わるようになりました。「この事業所に来てよかった」との声が数多く寄せられています。
クラウドファンディングの詳細
今回のクラウドファンディングは、目標金額150万円を設定し、2025年9月19日までに達成を目指しています。資金は販路拡大のための広告費やスタッフ増員のための求人広告費、衛生用品購入、利用者の工賃補助に充てられます。支援者には、特製のお礼やサービス管理責任者との相談サービスを提供する他、地域限定のデラックス弁当セットも用意されています。
代表者のメッセージと今後の展望
三輪代表は言います。「私たちが届けているのは、ただのお弁当ではありません。それは、障がいのある方々が誇りを持って働ける『居場所』であり、『社会とのつながり』です」。事業の継続を通じて、地域内での認知度を高め、新たな利用者獲得を図り、他の福祉事業者との連携も強化することを目指しています。障がい者の就労機会創出と自立支援を通じて、多様性と地域とのつながりを深めることが、今後の大きな目標です。
お問い合わせ情報
このように、障がい者の就労支援に情熱を注ぐ三輪代表の取り組みは、地域に新たな希望をもたらし続けています。